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アクセルを…もう一回教習所でアクセルの使い方を学び直せ!! 同乗者が酔わなくなり燃費も向上!!

 3月も後半にはいり、いよいよ春の行楽シーズン。しかし残念ながら、今年も感染症対策が必要なため、マイカーで出かける予定を組む方は多いだろう。

 しかし、楽しいはずのドライブに水を差しかねないのが「クルマ酔い」。特にお子さんがクルマに酔いやすいという方は、悩みのひとつだと思う。クルマ酔いは、酔いやすい体質の方もいるのも確かだが、ドライバーの運転操作が原因でクルマ酔いを引き起こしている場合も実は多い。

 同乗者が酔いやすいというドライバーの方に、見直してほしいアクセルペダルの使い方をご紹介しよう。

文:吉川賢一
アイキャッチ画像:Adobe Stock_Satjawat
写真:Adobe Stock、写真AC

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同乗者にやさしいアクセルワークは、燃費にも優しい

 クルマ酔いの原因はさまざまだが、冒頭で触れたように、よく乗せる家族や友人がクルマ酔いをしやすい、という場合、「その人の体質」と片付けるのではなく、自身のクルマの状態や、自身の運転操作をいま一度振り返ってみてほしい。例えば、アクセルやブレーキ、ステアリングホイールの操作によっても、クルマ酔いが軽減できる可能性はある。

 なかでも重要なのが「アクセルワーク」。クルマ酔いをしにくくなるアクセルワークとは、「前後方向の加速Gを極力発生させない」こと。アクセルペダルの踏み方が荒く、速度が乱高下するような運転はクルマ酔いを引き起こしやすくなる。このクルマ酔いを防ぐアクセルワークは、燃費にも効果的。同乗者にも、環境やお財布にもやさしいアクセルワークなのだから、身に着けない理由はない。ぜひとも、習得してほしい操作だ。以下で具体的にご紹介しよう。

ポイントは、「ふんわりアクセル」と「一定速走行」

 同乗者を乗せているときの運転方法として心がけてほしいのは、「ふんわりアクセル」だ。発進から5秒間で時速20Km程度まで上げる「ふんわりアクセル」は、加速Gが緩やかなのでクルマ酔いを起こしにくい。このふんわりアクセルは、経済産業省も「エコドライブ」方法として推進しており、これを心がけることで、燃費が10%も改善するそうだ。

 また、走行中も車速を上下させない「一定速走行」も重要。一般道で一定速走行をするには、前のクルマとの車間距離を十分にとって、無駄な加速・減速を行わないようにする必要がある。繰り返しになるが、同乗者がクルマ酔いしにくいアクセルワーク=燃費にいいアクセルワークなので、愛車に瞬間燃費計があれば、たまにチェックしながら、アクセルペダルの踏み加減を調節してみると、丁度よいアクセルペダルの踏み加減が分かるはずだ。

 高速道路などで、制限速度±5km/hの範囲で一定速走行を続けられるまでに丁寧な操作ができれば、同乗者に「ワンランク上級な乗り味になった」と言ってもらえるかもしれない。

アクセルペダルの操作は丁寧に。これが同乗者にも燃費にもやさしいアクセルワークだ(PHOTO:Adobe Stock_ Paylessimages)

スピードの出し過ぎもクルマ酔いの原因に

 もうひとつ、アクセルワークでクルマ酔いの原因となるのが、「スピードの出し過ぎ」だ。例えば、普段は60㎞/hで走っているコーナーを、72km/hにしただけで、身体が受ける左右加速度は1.45倍にもなる。平らな路面に見えても、道というのは必ず凹凸や傾きがある。そうした道を走ると、クルマはどうしても揺れを起こし、道路のうねりやギャップを超えるたび、同乗者はより大きく揺すられて、クルマ酔いの原因となってしまう。

 その揺れを極力抑えるには、とにかく「スピードを落とす」に尽きる。燃費の面からみても、乗用車の場合は、一般道を時速30~60kmで走行するのが、一番燃費が上がる速度となる。もちろん高速道路ではそれ以上の速度が必要となるが、同乗者とのドライブを安全で楽しいものにしたいのならば、必要のない高い速度はご法度だ。

ブレーキやハンドルもクルマ酔いの原因に

 アクセルワークのほかにも、ブレーキペダルの操作や、ハンドルの操作も、クルマ酔いに影響する。ブレーキ操作のポイントはふたつ。ひとつは、止まる瞬間にちょっとだけブレーキペダルを戻す(離す)ことだ。止まる瞬間にちょっとペダルを戻すことで、いわゆるカックンブレーキを防ぐことができる。

 もうひとつは、減速Gを一定に保つこと。理想は、新幹線の減速挙動だ。新幹線は、300km/hオーバーからブレーキを始めているのに、乗員はほとんど減速Gを感じない(正確には減速Gが変動していない)。停止する直前まで減速Gを高めないことで、安心感は高まる。クルマでも、同乗者がいつから減速し始めたか分からないような運転ができれば、素晴らしい。

 また、当然のことながら、急ハンドルや横Gが強くかかるようなスピードで曲がることも、クルマ酔いにつながる。同乗者を酔わせないためには、カーブでも、交差点でも、ハンドル操作を「ゆっくり」と行うこと。じわーっと回して、じわーっと戻す。カンタンなようだが、習得するにはそうとうな集中力と時間が必要となる。だがこれができると、同乗者の頭が「グラッ」とすることも減り、さらに安心ができる運転となる。

◆      ◆     ◆

 同乗者とのドライブを楽しいものにするには、ドライバーの細かい配慮が必要。今回ご紹介したアクセルワークを身に着け、ワンランクも2ランクも運転が上手い、上級ドライバーを目指し、カーライフを思いっきり楽しんでほしい。

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