3月19日、2022年FIA F2の開幕戦となる第1戦バーレーンの決勝レース1がバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催され、リチャード・フェルシュフォー(トライデント)が優勝。日本勢の岩佐歩夢(ダムス)は最後尾22番手スタートから8位までポジションを上げ、FIA F2デビューレースで貴重な1ポイントを獲得。佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)は16位となった。
スプリントレース(決勝レース1)のグリッドは、現地時間18日に行われた予選トップ10のリバースグリッドで決定され、予選で10番手タイムを記録したフェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)がポールシッターとなった。2番グリッドはフェルシュフォー、3番グリッドはジェイク・ヒューズ(ファン・アメルスフォールト・レーシング)、4番グリッドにユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)が続いた。
日本勢の佐藤は14番グリッドから。そして、予選でスピンを喫し、ノータイムに終わった岩佐は最後尾となる22番グリッドからスタートを迎えることとなった。
陽が沈み、雲がかかり気温19.4度、路面温度23.5度というコンディションのなか、23周の決勝レース1はスタートを迎えた。
ポールスタートのドルゴヴィッチが出遅れる一方、2番グリッドスタートのフェルシュフォーが好スタートを見せ、ターン1のホールショットを奪う。同じく好スタートを見せた6番手スタートのラルフ・ボシュング(カンポス・レーシング)が2番手に、そしてダルバラが3番手で続いた。
序盤から各所でテール・トゥ・ノーズの接近戦が繰り広げられるなか、3番グリッドスタートから9番手までポジションを落としていたヒューズが、3周目のターン8でマーカス・アームストロング(ハイテックGP)に追突。アームストロングはコース上にマシンを止め、3周目にセーフティカー(SC)が導入された。
6周目にレース再開を迎えるも、フェルシュフォーとボシュンは1秒前後のギャップで周回を重ね、その差はなかなか縮まらず。さらに、フェルシュフォーは8周目にファステットラップを記録する好走で、徐々にボシュンとのギャップを広げにかかる。
一方、8周目には佐藤、岩佐の日本人対決が勃発。最後尾スタートから15番手までポジションを上げた岩佐は、9周目に佐藤を攻略し、14番手にポジションを上げた。岩佐は続いて14周目のターン1でエンツォ・フィッティパルディ(チャロウズ・レーシング・システム)を攻略し、13番手にポジションを上げる。
レースも後半に差し掛かった12周目、2番手ボシュンは一時は1.4秒まで広がったフェルシュフォーとのギャップを徐々に縮めにかかるも、対するフェルシュフォーは1秒以上のギャップをキープし、ボシュンにDRSを使わせない。上位勢は均衡状態となるなかレース後半を迎えた。
そんななか、16周目のターン1で3番手ダルバラがボシュンを攻略し2番手に浮上。その直後、16周目にコース上のデブリ回収を理由にバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入される。
VSCが17周目に解除されると、ダルバラとボシュンはテール・トゥ・ノーズの2番手争いを再開。2台は幾度となく順位を入れ替えるも、ダルバラが2番手のポジションを死守。一方、リアム・ローソン(カーリン)が21周目にボシュンをかわし3番手に浮上することとなった。
岩佐は19周目にチームメイトのロイ・ニッサニー(ダムス)を攻略し10番手に。後半、タイヤが厳しくなりペースが落ちるドライバーもいるなか、岩佐はデニス・ハウガー(プレマ・レーシング)、ジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)を続けて攻略し、22周目にはポイント圏内の8番手に浮上。FIA F2初レースで巧みなタイヤマネジメントを見せつけた。
23周目、首位浮上から一度もトップを譲ることなく、巧みなレース運びを見せたフェルシュフォーがトップチェッカーを受け、自身2勝目となるFIA F2優勝を手にした。また、トライデントにとってはこれがFIA F2初優勝となる(GP2時代を含めると2016年以来となる)。
2位にダルバラ、3位にローソンが続いた。日本勢は最後尾22番手スタートの岩佐が8位でチェッカーを受けて、1ポイントを獲得。佐藤は15位でチェッカーを受けるも、トラックリミット違反によるレース結果に5秒加算のペナルティが課せられ16位となった。続く、フィーチャーレース(決勝レース2)は日本時間3月21日の19時40分からスタートを迎える。
■FIA F2第1戦バーレーン スプリントレース(決勝レース1) 暫定リザルト
Pos. | No. | Driver | Team | Time/Gap |
---|---|---|---|---|
1 | 20 | R.フェルシュフォー | トライデント | 23Laps |
2 | 2 | J.ダルバラ | プレマ・レーシング | 1.853 |
3 | 5 | L.ローソン | カーリン | 4.975 |
4 | 15 | R.ボシュング | カンポス・レーシング | 6.981 |
5 | 11 | F.ドルゴヴィッチ | MPモータースポーツ | 8.801 |
6 | 6 | L.サージェント | カーリン | 9.263 |
7 | 8 | J.ビップス | ハイテックGP | 13.350 |
8 | 17 | 岩佐歩夢 | ダムス | 15.749 |
9 | 1 | D.ハウガー | プレマ・レーシング | 17.665 |
10 | 3 | J.ドゥーハン | ビルトゥジ・レーシング | 21.472 |
11 | 22 | E.フィッティパルディ | チャロウズ・レーシング・システム | 22.902 |
12 | 16 | R.ニッサニー | ダムス | 26.574 |
13 | 9 | F.ベスティ | ARTグランプリ | 27.490 |
14 | 23 | C.ボリュクバシ | チャロウズ・レーシング・システム | 31.921 |
15 | 21 | C.ウィリアムズ | トライデント | 49.959 |
16 | 4 | 佐藤万璃音 | ビルトゥジ・レーシング | 50.640 |
17 | 25 | A.コルデール | ファン・アメルスフォールト・レーシング | 52.662 |
18 | 12 | C.ノバラック | MPモータースポーツ | 1’18.205 |
19 | 14 | O.コルドウェル | カンポス・レーシング | 1Lap |
– | 24 | J.ヒューズ | ファン・アメルスフォールト・レーシング | DNF |
– | 10 | T.プルシェール | ARTグランプリ | DNF |
– | 7 | M.アームストロング | ハイテックGP | DNF |