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 東北地方の地震により東北新幹線に不通区間があり復旧の目途はたっていない。記事執筆時現在の主に首都圏からのう回経路等をまとめた。すべての交通機関を網羅しているわけではないので、最新の状況は各事業者のホームページ等でご確認いただきたい。(本稿写真はすべてイメージです)

文:古川智規(バスマガジン編集部)


鉄道の不通区間

 2022年3月20日時点での鉄道不通区間と運転再開の見通しは次の通り。
・常磐線:21日の運転再開を見込んでいて、特急ひたちのいわき-仙台間は区間運休。代行輸送なし。
・東北新幹線:那須塩原~盛岡上下線。運転再開の見通しは立っていない。東京~那須塩原・盛岡~新青森で運転本数が通常よりも大幅に少ないため混雑が予想される。

  山形新幹線の奥羽本線区間および秋田新幹線の田沢湖線区間は折り返し運転をしているが運転本数が通常よりも大幅に少ないため混雑が予想される。

臨時列車乗り継ぎ

 東北新幹線は那須塩原・盛岡間が不通なので、那須塩原から仙台までは臨時快速列車(東北本線経由)が2往復、仙台から盛岡までは臨時快速列車(東北本線経由)が1往復運転される。運転が決定しているのは21日までで、22日以降の運転計画は決定次第発表される。

 また常磐線が全線で運転再開されるのを目途に、JR東日本では特急ひたちを仙台まで増発・延長運転して首都圏-仙台間の輸送力を増強したい考え。

 在来線の臨時快速列車乗り継ぎによる秋田までのダイヤを見てみると、東京0840(なすの413号)那須塩原0949・那須塩原1020(臨時快速)仙台1318・仙台1326(臨時快速)盛岡1551・盛岡1635(こまち27号)秋田1812となる。仙台や盛岡へも新幹線運転区間を含めてこの臨時ダイヤで乗り継ぎができる。

 秋田へは日本海回りも選択でき、上越新幹線が通常運行していることからこちらの方が早い。特急いなほ号の上下1往復が酒田-秋田間を臨時快速列車として延長運転する。これを利用すれば東京1016(とき315号)新潟1224・新潟1232(いなほ5号)酒田1441/1443(臨時快速として延長運転)秋田1607。

 いなほ号の延長運転とは別に当面の間、いなほ9号(新潟発 17:16 酒田着 19:25)から下り普通列車 557M(酒田発 19:08 秋田着 20:57)へ接続をし、乗り継ぎができるダイヤになる。これにより普通列車 557Mは、接続待ち合わせのため酒田駅の発車が20分程度の遅れが見込まれる。

高速バス・東京→仙台

 高速バスは首都圏から仙台方面を増便・増車して対応しているが、満席の便も多く時間もかかる。 3月20日出発分の夜行便は臨時便や増車する便もあるが、記事執筆時点ではほぼ満席なので本日の乗車は予約サイトで確認をする必要がある。他のう回経路は後述する。

ジェイアールバス東北

臨時の航空便

 航空各社は羽田空港から仙台を中心として東北各方面への臨時便を設定している。

 日本航空(JL)は仙台に4往復、花巻に2往復、山形に1往復の臨時便を設定している他、伊丹-仙台・伊丹-花巻にそれぞれ1往復の臨時便を設定している。
全日本空輸(NH)は、20日の便として仙台に4往復、福島に1往復を設定している。

満席で取れなかったらフェリーという手も!

 ほとんどの交通機関が予約が必要な交通機関で、満席であれば移動そのものが難しくなる。それでも必要な場合は在来線の乗り継ぎしかないものの、時間はかかるができない相談でもない。1つの手段として首都圏からであれば名古屋経由でフェリーを利用する手もあるので要検討だ。

 名古屋港から仙台港経由で苫小牧港まで運航している太平洋フェリーは下り便は名古屋港1900発、仙台港には翌1640着、上り便は仙台港1250発、名古屋港には翌1030着だ。船室にこだわらなければ、予約は必要だが空席はありそうだ。

 注意が必要なのは名古屋-仙台間は隔日運航であることだ。東京駅から名古屋駅まではJR東名高速線が多く走っているし、東海道新幹線も通常通り運行されている。名古屋駅からは、あおなみ線と名古屋市営バスを乗り継いで名古屋港に行くか、名鉄バスセンターから名古屋港行きのみ直行バスが1720発・所要40分で運行されている。

 太平洋フェリーは名古屋港発3月20日は運航しないので、直近では21日発の便になる。かなりの大回りで相当な時間がかかるが、疲労度は少ないのでどうしても移動が必要な方は検討してみてはいかがだろうか。

 (本稿の情報は正確を期すように努めていますが、ご利用の際は必ず事業者発表のバス停掲示やホームページ等をご確認の上でご計画ください。)

投稿 地震にともなう東北新幹線不通区間の迂回経路と高速バス情報【3/20現在】自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。