WEC世界耐久選手権の2022年第1戦セブリング1000マイルレースでは、新たな記録が誕生した。わずか16歳1カ月と4日でLMP2クラスを制したアメリカ人のジョシュ・ピアソンは、WECの最年少優勝者となった。
WECデビュー戦を迎えたピアソンは、ポール・ディ・レスタ、オリバー・ジャービスとともにユナイテッド・オートスポーツの23号車オレカ07・ギブソンをドライブ。レース途中でクラストップに立つと、赤旗により短縮された開幕戦で優勝を飾った。
このレースはピアソンにとって、1月のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権開幕戦デイトナ24時間、そしてヤス・マリーナでのアジアン・ル・マン・シリーズの2戦に続き、LMP2マシンでのわずか4レース目だった。
「これは大きなものだ」とピアソンは語っている。
「僕にとって、この勝利は大きな意味を持つ。チームは素晴らしい仕事をした。ポールはレースで素晴らしいクルマを僕に渡してくれた。オリバーもまた、彼の仕事をしてくれた」
「全体的に、僕らはチームとして素晴らしいことをしたと思う。僕らにはファンタスティックなクルマがあり、これ以上の幸せはない」
ディ・レスタは今回のクラス優勝の「キー」として、レース中盤でのピアソンのトリプルスティント(3スティント連続走行)を挙げている。
「僕らの側からすれば、素晴らしいレースだった」とピアソンは語った。
「ポールは2番手で、僕にマシンを渡した。そこからは、考えていた戦略どおりにすることにした。それがトリプルスティントだった」
「タイヤにとっての最後のスティントの後半は、かなり難しいものだった。とくに、フロントタイヤに苦戦していたと感じた。だけど、クルマは全体としては素晴らしく扱いやすく、タイヤはスティント全体にわたってなんとか持ち堪えた。素晴らしかったね」
「僕にしてみれば、今季のスタートとしては最高なものになった。(第2戦の)スパを楽しみにしている」
ジャービスは、トヨタのホセ・マリア・ロペスのクラッシュにより導入された最初の赤旗が、レース後半にライバルであるJOTA28号車とWRT31号車の「復活」を引き起こしたと語っている。
「赤旗はレースに大きな影響を与えた」とジャービスは語っている・
「最初の赤旗まで僕らは妥当なリードを築き上げていた。レースを支配する立場にあったんだ。30秒以内には、おそらく2〜3台のライバルしかいなかったと思う」
「ところがその赤旗によって(ギャップがなくなり)、JOTAとWRTが再び戦場へと戻ってきた。それはレースの残りの部分を、はるかに難しいものにした」
「ポールとジョシュは、週末を通して素晴らしい仕事をした。16歳のジョシュはここに立つために、彼なりのやりかたでプレッシャーに対処していた」
「それだけなく、彼が見せたスピードは本当に印象的なものだった」
ピアソンは今週、WEC決勝翌日に行われるIMSAのセブリング12時間レースにもダブル・エントリーしている21人のドライバーのうちのひとりだ。IMSAではLMP2クラスのPR1/マティアセン・モータースポーツのマシンを、ジョナサン・ボマリト、スティーブン・トーマスとともにドライブする。
IMSAのレースに向け、ピアソンはこう語っている。
「僕にとっては、とにかく何かを食べ、休息を取ることが重要だ。そのあと、12時間レースに勝つためにすべきことがたくさんある」