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(新潮社・1760円) 人間の「本質的な不気味さ」あらわに 六篇から成る短篇集。小説の先端を思わせるのはひりひりする時代の風を感じさせるからだけではない。人間の本質的な不気味さをあらわにしているからだ。 ヒュームの『人性論(じんせいろん)』を小説にするとオースティンの『分別と多感』や『…