2022年のBTCCイギリス・ツーリングカー選手権に向け、引き続きBMW UKの支援によりチームBMWとして参戦する名門ウエスト・サリー・レーシング(WSR)は、3台体制のうち不動の4冠王者コリン・ターキントンとステファン・ジェリーが走らせる2台の2022年仕様『BMW 330e M-Sport』を公開した。
また、『ヒュンダイi30ファストバック Nパフォーマンス』で3年目のシーズンを迎えるエクセラー8モータースポーツは、従来までのTOCA共通エンジンでなく、今季よりヒュンダイ製の市販エンジンをベースとしたユニットにスイッチすることを表明している。
共通ハイブリッド機構導入初年度となる2022年は、BMWが誇る高性能部門“M”社の50周年にもあたり、WSRが投入するNGTC規定FRの3シリーズは、ふたたびホワイトを貴重とした世界的に有名な赤/紺/スカイブルー・ストライプのワークスカラーを採用した。
「新しいシーズンに向けニューカラーをお披露目するのは、いつだってエキサイティングだね」と語るのは、古豪WSRを率いるチーム代表のディック・ベネット。
「もちろんそれは2022年も例外ではない。今季はふたつの重要な追加要素があり、シリーズとしてハイブリッド・パワートレインへの移行と持続可能性の向上をテーマに掲げているし、我々のパートナーであるBMW M社の50周年を祝うこと、その双方が重なる重要な年なんだ」と続けたベネット代表。
「私自身、1970年代にF2とBMW M1プロカー・シリーズでいくつかのBMWモータースポーツ・プロジェクトに参加したが、その後もずっと彼らの活動に関与し続けるとは思ってもみなかったよ。今季のカラーリングも伝統的なMカラーとモダンな外観の両方を組み合わせており、BTCCのファンはそれを気に入ってくれると思う」
この50周年の一環として、ターキントンは新たなシーズンに向け『BMW 330e M-Sport』に#50のナンバーを掲げて参戦。一方、チームの残る1台となる新加入ジェイク・ヒルのドライブする24号車は、元F1ドライバーのマーク・ブランデル率いるMBモータースポーツとのジョイントでROKiT(ロキット)がタイトルスポンサーに就任する予定で、そのカラーリングは追って発表される見込みだ。
■新エンジンはスウィンドン・パワートレイン社と共同開発
一方、トム・イングラムをエースに、2022年はトム・チルトン、ダン・ロイドらの新規加入をアナウンスしたエクセラー8は、新たにスウィンドン・パワートレイン社と共同で研究開発プログラムを実施し、すでにシェイクダウンを終えたヒュンダイ製市販ユニットベースの新エンジンで今季のBTCCを戦うと正式発表した。
これにより、EXCELR8は2022年に新しいTOCA共通エンジンに採用されたMスポーツ社製のユニットを搭載しないことを意味し、昨季までそのTOCAユニットを供給する独占契約を締結していたスウィンドンが、引き続きシリーズに継続的に関与することも保証された。
「彼らとの研究開発プログラムが成功し、今季より新しいヒュンダイ製エンジンを稼働させることが確認でき、うれしく思っている」と語るのは、エクセラー8代表のジャスティナ・ウイリアムズ。
「この段階に到達するため、ここ数カ月の舞台裏では膨大な量の作業が行われてきた。新しいエンジンが問題なく動作するのをすぐに確認できたのは、関係者全員の功績ね」
「この規模のプロジェクトを進めるという決断は、BTCCの頂点に到達するという私たちの意欲の大いなる兆候であり、チームを支援するハンスフォード・センサーのサポートなしでは不可能だった」
「私たちはヒュンダイとのプログラムを成功させたいという共通の願望を通じて強い絆を築いてきたし、競争力のある2022年を一緒に前進し、その成果を見ることができると確信している」
また、4台体制を敷くチームは残る1枠に対し在籍2年目となるジャック・ビュテルの残留も発表。一方でクプラを走らせるTeam HARD(チーム・ハード)も、リック・パーフィットとボビー・トンプソンのシリーズ復帰をアナウンスしている。