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Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)などの主要ソーシャルネットワークが最近ロシア当局にブロックされ、ロシア政府がウクライナ戦争に関わる会話を完全制御しようとする中、ウクライナ発の顔交換アプリReface(リフェイス)は、自発的にロシアから撤退した。

プーチン大統領が2月末にウクライナ侵攻を軍隊に命じて以来、同スタートアップは、自社アプリをロシア政府によるメディア検閲を回避するために使う試みを早々に決定し、ユーザーに反戦メッセージをプッシュ送信し、ロシアに対する制裁を支持するよう呼びかけた他、ウクライナで起きている荒廃の画像をアプリで表示した。さらにRefaceは、ロシア人ユーザーに向けて位置ターゲットされたメッセージを送り、戦争に反対する運動に参加するよう呼びかけた。

この反戦キャンペーンの結果、数百万件という反戦メッセージがロシアのRefaceユーザーに届けられた。米国時間3月15日のブログ記事で、約1300万件の反戦プッシュ通知が送られたとスタートアップは語った(同社によるとロシアの同アプリのユーザーは200万人程度)。

しかし、その反戦コンテンツはロシアのユーザーから直ちにネガティブな反応を受け、キャンペーンは中止され、アプリは星1つのレビューで埋め尽くされた。以下にブログ記事のグラフを載せた。

画像クレジット:Reface

Refaceのブログには、同社はロシアのユーザーのネガティブな反応を、彼らがウクライナで壊された家屋や殺された女性や子どものことを気にかけていないことの証だと解釈しつつ、中には完全に否定的とは言えない言葉もあったことを指摘した(ただし、ほとんどがネガティブであるとも言っている)。

「私たちの努力が、ロシアの国を上げてのプロパガンダと争うには不十分であったことを認識し、当社はRefaceアプリをロシアのApp Store(アップ・ストア)およびGoogle Play(グーグル・プレイ)から削除することを決定しました」と同社は書いている。3月10日以前にアプリをダウンロードした人は今も使用できるが、新規のダウンロードとサブスクリプションは無効になっている。

「ロシアの市場やロシアと何らかの関わりのあるものから、いかなる利益を上げることも当社は望んでいません。この国によるウクライナに対する残酷な戦争のために起きている経済制裁や技術的孤立の影響を、すべてのロシア人が感じるべきです」とRefaceは付け加えた。

同社CEOで共同ファウンダーのDima Shvets(ディマ・シュベッツ)氏は、ロシアからアプリを撤退する決定はRefaceだけの判断であることを明言した。

「当社はロシアのインターネット検閲による制限は受けていません」と同氏がTechCrunhに話した。「ロシアの巨大な情報キャンペーンの後、撤退を決めました。ロシアとは一切接点を持ちたくなかったからです。

画像クレジット:Natasha Lomas/TechCrunch(スクリーンキャプチャー)

これはロシアにおけるインターネット体験がウェブの主流から取り残されつつあることを示す小さな兆候の1つであり、それはロシアの銀行、著名な企業幹部、その他の組織(たとえば悪名高いInternet Research Agencyという名の荒らし軍団)に対する西側諸国の正式な制裁措置によるだけでなく、 大企業から小企業までさまざまなテック企業が自主的に市場を離れたことによるものだ。

RefaceアプリのAI利用の顔交換エフェクトは元々純粋なエンターテインメント目的であり、ユーザーは自分の顔を有名な映画シーンのセレブと交換したりしていたが、開発チームの母国ウクライナで起きた戦争は、 穏やかな気持でアプリ運用するための状況を明確かつ著しく変化させた。

「以前、Refaceユーザーは自分をジャック・スパロウやアイアンマンと入れ替えて楽しんでいました。今私たちは、自分たちをゼレンスキー大統領と入れ替え、ウクライナ国歌とともに写真に息を吹き込むよう働きかけています。今やゼレンスキー氏には カニエ・ウェストより多くのInstagramフォロワーがいます。何というタイムラインでしょう!」とRefaceは消費者の状況の変化ぶりをブログ記事に要約した。

現在同社は自社アプリを使って、ロシア外でのウクライナ支援を呼びかけるために使い続け、ユーザーに、ウクライナ大統領、Volodymyr Zelensky(ヴォルディミル・ゼレンスキー)氏の人気ビデオクリップや、ユーザーがアップロードしたウクライナ兵士の画像と顔交換できるようにしている。

Refaceは作成された親ウクライナ合成メディアに、#StandWithUkraine(ウクライナ支持)のハッシュタグを付加して、こうした支持のビジュアルメッセージをソーシャルネットワークで拡散するようユーザーに呼びかけている。

ウクライナ国土で進行している実際の戦争とともに、オンラインで同時進行する情報戦争で起きた最近の出来事として、ウクライナ大統領がオンラインで自国の戦争努力を傷つけているように見せかけるディープフェイク映像が出現した。最近、ゼレンスキー氏が降伏しているように見せる改ざん動画が、Telegram(テレグラム)、およびFacebook(フェイスブック)とロシアのライバルサービスであるVKontakte(ヴィー・コンタクテ)などのソーシャルネットワークに出回っていることがわかった。

これらの偽動画の出どころがどこなのかははっきりしていない。しかし2022年3月、ウクライナの戦略コミュニケーションセンターは、ロシアが改ざん動画を流布して、自らの侵攻に対する一般大衆の認識を操作しようとしていると警告した

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画像クレジット:Efrem Lukatsky / AP

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nob Takahashi / facebook