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<p>「性加害」榊英雄監督の性暴力を新たに4人が告発する | 週刊文春 電子版</p><p>「性被害」を題材にした映画「蜜月」。小誌は先週号で同作の監督・榊英雄氏(51)から「性行為を強要された」と語る4人の女優の告発を報じた。同記事の電子版が発売された9日、映画は公開中止に。だがその後も小誌には次々と告発の声が寄せられている。</p><p>「性被害」を題材にした映画「蜜月」。小誌は先週号で同作の監督・榊英雄氏(51)から「性行為を強要された」と語る4人の女優の告発を報じた。同記事の電子版が発売された9日、映画は公開中止に。だがその後も…</p><p>「打ち上げにも参加しました。その場で榊は『この前、女優に手を出した』とか『女優の旦那にバレて謝罪文を4ページ書いた』などと自慢げに話していた」 16年8月、E子さんは榊氏から「短編映画の主演に起用したい。フィッティングをしよう」と誘われ、2人で会うことになった。 「渋谷の待ち合わせ場所で会ったとき、榊の写真を撮って友人に『今から会うね』とメールを送りました。打ち上げでの会話から警戒していたのです。榊と家族ぐるみの友人に報告しておけば抑止力になると」 居酒屋で2時間ほど過ごし、店を出ると「次、行こうか」と誘われた。向かった先はラブホテル『S』だった。E子さんが続ける。 「所属事務所には榊の紹介で入っていたので、ここで断ったらクビになるかも、色々な人に私の悪口を言われて仕事がなくなるかも、などと頭を過りました」 結局2人でホテルに入った。体型確認のため下着姿になれ、と言われ従ったE子さんは榊氏と距離を取り、「ここまでしかできません!」と何度も伝えた。 E子さんへのLINE そんなE子さんを榊氏は「自分は男性機能が役に立たない。妻とも長い間、していないんだ」と言って抱きしめた。 「すごく気持ち悪かったです。どうしてもされたくなくて、ちょっと努力したらそれで帰してもらえるんじゃないかと考えて彼の性器を触り、口でしました。その瞬間はそれしか方法が思いつかなかった」 だが次の瞬間、ベッドに放り投げられた。避妊はされなかった。何度も「絶対にしません!」と拒んだが、榊氏は止まらなかった。 「1分ほどで事が終わり、私が『コンドームしなかったですね。もうすぐ生理が始まるとは思うんですけど……』と言ったら『ちょうどよかったじゃん』と言い放ちました」 E子さんへのLINE その後、E子さんは鬱症状に陥り、療養生活を余儀なくされた。1年後、榊氏を紹介した友人にも被害を打ち明けたという。 別の女優、F子さんは15年公開の榊氏の映画に出演。 「クランクアップの後、道玄坂の居酒屋に誘われました。悪い噂は聞いていたのですが、初めて一緒に仕事をしたし、断れなかった」 店を出た直後のことだ。 「マンションの陰に引っ張りこまれ、キスされました。『絶対嫌です』と押し返すと大声で『やらせろ!』と叫び出しました」 何とか逃げ帰り、事なきを得たという。 「ただ、その後も『しゃぶれ』『裸の写真送れ』と何度もLINEが来ました。彼のピンク映画のオーディションを断ったら現場で会っても無視されるように。『F子はもう使わない』と言っていたそうです」 元女優のG子さんは15年公開の榊氏の作品のオーディションを受けた。 「落選でした。当時、焦っていた私は榊のフェイスブックに『次に繋げたいので何がダメだったのか教えてください』と連絡をしました。すると『1回会って話そうか』と返信が……」 指定されたのは渋谷・神泉の香箱蟹が名物の店。初めは仕事の話をしていたが次第に「どんなプレイが好きなの?」と性的なことを聞かれるようになった。店を出ると、手を握られた。 「どう振り払っていいかわからなくて……。仕事に影響するのも嫌でしたし」 「いきなり走り出してどこかに行ってしまったのです。しばらくすると電話があり、『いま俺が走った方に来て!』と。行くと駐輪場に榊がいて手招きされました。近づくと無理やり腕を引っ張られてキスされ、舌を入れられた」 ズボンのベルトを外そうとする榊氏に危険を察知したG子さんは頬をビンタ。すると榊氏は、「気に入った。女に叩かれたのは初めてだ」と笑ったという。 榊氏から傷を負ったのは女性だけではない。ユーチューバーのリゴローさんは12日、「榊英雄監督の被害者です」との動画を投稿。当時、交際していた恋人(女優)が榊氏から性的関係を強要されていたと、当時のメールなどの物証付きで告発したのだ。リゴローさんに話を聞いた。 「13年6月13日、彼女の携帯に榊氏から『抱きたい』とメールが送られてきました。彼女を問い詰めると認めたので、榊氏にメールし、電話で話しました」 電話口で榊氏は「本当にすみません! 土下座して謝ります」と謝罪した。 「どうしても奥さんにバレたくなかったようです。彼女のことは遊びか、本気か、と聞くと、『遊びです』と言い、『今度、役に使いますので』と言われてさらに腹が立ちました」 榊氏に取材を申し込むと代理人の弁護士から「回答を差し控えさせていただきます」との回答があった。 榊氏の作品を撮り続け、今回の「蜜月」の撮影担当でもありながら、小誌報道前に制作陣に対して声を上げていた早坂伸氏が話す。 「私も『なんで今まであんな奴をのさばらせたんだ』と責められますし、その責めを負う立場です。女優さんたちが勇気を出して声をあげたから、私も、今行動を起こさないと一生後悔すると思えたのです」 榊氏以外の監督や俳優への告発も寄せられつつある。業界の悪の風習は、変わるべき時を迎えている。</p>