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北京パラリンピックが閉幕した中国で、新型コロナウイルスの感染が広がっている。広東省の深圳市と東莞市が14日から事実上のロックダウンを開始し、地下鉄やバスなど公共交通機関の運行を停止。人口約900万人の吉林省長春市でも、11日に新規感染者数が160人を超え、ロックダウンに入った。

上海市内の封鎖区域。防護服を着た警察官らの姿が(写真:AFP/アフロ)

人口約2500万人の上海市では、13日に169人の新規感染が判明。感染者や濃厚接触者が出入りした住宅や店舗が封鎖されている。

長春も上海も、日本の各都市に比べればまだまだ感染者数は少ないが、“ゼロコロナ政策”で徹底的な封じ込めを行っている中国にとっては、警戒すべき事態のようだ。上海でフードデリバリーの仕事をしている20代男性に話を聞くと、感染拡大は確かに感じるという。

「昨日と今日はだいぶ落ち着きましたが、数日前に感染者が急増し、感染者の出た住宅街の一部や店舗は、みんな閉鎖されていました。私の住んでいた住宅エリアも閉鎖されてしまい、外出禁止となっています

テレワークなどできる仕事ではないため、男性は自宅に帰ることを諦めた。

一度なかに入ったら外に出られなくなるルールなので、やむを得ず、家の近くのホテルで暮らしています

不運にも自宅が隔離エリアに入ってしまったわけだが、特に補償などはないという。

「誰も金なんか出してくれませんよ。宿泊代は、全部自腹です。ネットで安いホテルを見つけたので、一泊100元(約1800円)ぐらいで暮らしています」

このほか、中国メディアによると上海市内のすべての映画館が閉鎖されていると見られており、市民生活にも影響が出ているようだ。中国のSNS「微博(ウェイボー)」には、

コロナのばかやろー。いつになったら映画や旅行やコンサートに行けるんだろう。

テレワークにできる仕事は、全部テレワークにしたほうが良さそう。

今は我慢するしかないのかな。コロナが終わったら、マスクをせずに特大サイズのポップコーンとコーラと一緒に、映画館で1日を過ごしたいよ。

といった嘆きの声が投稿されていた。

中国はウクライナ紛争でも難しい舵取りを迫られているが、国内のコロナ対策に専念したいというのが本音かもしれない。