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著者は賃金や労働問題の専門家だが(『日本の賃金』は名著)、この本は趣味の世界、コレクターとしての話である。腕時計より長い歴史をもつポケット・ウオッチ、つまり懐中時計の物語だ。著者は各地の骨董店などをのぞいては懐中時計を集めた。「僕だけを一〇〇年も二〇〇年も待ちつづけてくれた」と思…