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クラウドインフラのレンタル料金は、通常時間が経つにつれて安くなるが、米国時間3月15日、Google Cloud(グーグル・クラウド)がその流れに逆らって、多くのコアサービスで大幅な値上げを発表した。この値上げは、Googleが「より柔軟な価格モデルとオプション」を提供したいとの名目で発表したもので、2022年10月1日から実施される予定だ。もちろんほとんどの開発者は喜んでいない

悪いニュースばかりでもない。Googleの米国、欧州、アジア地域のアーカイブストレージの一部が値下げされ、より低価格のPersistent Diskアーカイブスナップショットオプションも登場する。また「Always Free Internet」(オールウェイズ・フリー・インターネット)の容量を1GB/月から100GB/月に引き上げる。

しかし、マルチリージョンのNearline(ニアライン)ストレージなど、ストレージの中核機能の多くは50%値上げとなる。Google CloudのColdline Storage Class A(コールドライン・ストレージ・クラスA)の利用料金は、1万オペレーションあたり0.10ドル(約12円)から0.20ドル(約24円)へと倍増となる予定だ。また、複数のリージョンに配置されたCloud Storageバケットから同じ大陸のリージョンにあるサービスのデータを読み出すことはこれまで無料だったが、今後は同じ大陸にあるGoogle Cloudのロケーション間で行われる他のデータ移動と同じように課金対象となる。

ロードバランシングもまた、0.008ドル(約0.94円)から0.012ドル(約1.42円)の「データ送信処理料金」をGoogleが適用することによる値上げが行われる(地域によって料金は異なる)。Googleは、これで他の主要なクラウドプロバイダーと価格を揃えることができるという。

同社のFAQにはこう書かれている「Google Cloud は、ビジネスを変革するための革新的なソリューションを、顧客志向の一貫した方法で提供しています。従量制の料金体系により、お客様はご利用になるサービスに合わせたコストでご利用いただけるようになります。また、お客様は主要なクラウドプロバイダーとのサービスをより簡単に比較することができるようになります」。

他の大手クラウドプロバイダーのマーケティングチームは、この発表に大喜びだろうが、大量のデータを動かすのは大変なことだ。データの重力が話題になるのには理由がある。これは、顧客の流出を恐れることなく価格を引き上げることができる分野の1つだからだ。

発表の文言はきれいに飾られているが、Googleはこれらの変更がもたらす影響を明確に認識している。FAQに書かれた、顧客は「アプリケーションを新しいビジネスモデルに合わせ、価格変化の影響の一部を和らげるために、現在の利用方法を適応させる必要があります」と書かれていることがそれを物語っている。

Google(特にGoogle Cloud)は、顧客がサービスに依存しているにもかかわらず、ほとんど無作為にサービスを停止するという世間の認識にすでに苦しめられている。その認識に、無作為に値上げを行うという認識も新たに加わった。同社が設定した野心的な成長目標を達成するために、セールスチームは残業を余儀なくされそうだ。

画像クレジット:Sean Gallup/Getty Images / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:sako)