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<p>戦争でペットも「難民」に 飼い主と離れ離れ、増え続ける保護犬や保護猫</p><p>戦争でペットも「難民」に 飼い主と離れ離れ、増え続ける保護犬や保護猫</p><p>ウクライナの隣国ポーランドで、戦地から救出されたり避難する人が連れてきたりして施設で保護される動物が急増している。ウクライナと国境を接するポーランドのプシェミシルで動物保護施設を運営するADA財団では、ウクライナに対する砲撃が始まって以来、獣医師やスタッフがほとんど寝る間もなく、避難してきた動物たちへの対応に追われている。 – (1/2)</p><p>ヤクブ・コトビッチ獣医師は、ウクライナから救出され、「ムーン」と名付けられた大型犬のジャーマンシェパードを診察していた。 「ひどい状態だ」。採血しようとしながらコトビッチ医師はつぶやく。ムーンは脱水がひどく、血管がなかなか見つからなかった。 だがそれ以上に深刻な症状があった。ムーンは高齢で、乳腺から腫瘍(しゅよう)が飛び出していた。コトビッチ医師は、別の獣医師の助けを借りてムーンの体から血液を採取すると、次は耳からダニまみれの耳あかやほこりを大量に掘り出した。 その間、ムーンはずっとおとなしくしていたが、体温を測られる時はかすかな鳴き声を上げた。検温が終わると落ち着いた様子で、スタッフに鼻をこすり付けた。 「腫瘍を摘出する手術が必要だ」。ムーンの頭をなでながらコトビッチ医師は言う。「こんな風に苦しむ様子は見ていられない」</p>