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今のホンダにこそ必要!? 元営業マンも舌を巻く現行個性派ライバル車 3

 「こんなクルマ売ってみたかった」「このクルマがあったら、超売れるのに」という声は、自社のクルマしか販売できないディーラー営業マンの本音である。常にライバルと戦っている営業マンだからこそ、ユーザー目線でライバル車の良さが分かるものだ。

 元ホンダ営業マンが、このクルマがあったらユーザーとも会話がはずむ、ホンダのクルマがもっと注目されるといった考察をふまえ、うちにも欲しかったクルマ3選を紹介する。

文/木村俊之、写真/BMW、PORSCHE、TOYOTA

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退屈しない独創性 オシャレ代表:BMW・THE NEW MINI(2021年モデル)

2021年5月のマイナーチェンジで、フロントマスク、インテリアのデザインが一新され、先進安全装備も充実したミニ

 このクルマに乗っているだけでオシャレな人という印象を与える代表車ミニ。独特のデザインは「かわいくて高級感のあるクルマがほしい」という女性ユーザーからの人気も高く、幅広い層から愛されている1台だ。

 ミニ最大の特長は世界トップクラスのアレンジ力だ。まさに自分だけの1台に仕上げることができる。自分好みのアレンジができ、独自の高級感を損なわないことは、ミニの魅力のひとつだろう。

 近年、ホンダユーザーの声を聞くと、「最近はデザインに迷走している」「モデルチェンジのたびに見た目が変わりすぎ」とデザインに対しての不評が目立つ。軽自動車販売はNシリーズが好調なだけに乗用車にも目玉となる1台が欲しいところだ。

 ライバルとは似ても似つかない、個性的なクルマをライナップに揃えたい。退屈しない独創的なデザインのクルマがショールームにあれば、販売現場も華やかになる。

 ミニに興味をもったユーザーには、クルマを「売る」ことはしないだろう。営業マンは、「クルマのスタイリスト」としてユーザーへアドバイスを送るに違いない。

圧倒的なステータス 憧れられるクルマ:ポルシェ・パナメーラ(2016年モデル)

ラグジュアリーサルーンでありながら、スポーツカーとしての実力を兼ね備えるパナメーラ

 「所有するだけでステータスになる。その性能は保証しますよ」と、どっしりと構えて販売をしてみたい。その1台はポルシェ・パナメーラだ。

 今も昔もクルマが一種のステータスになるという見方は強いだろう。昔のように、無理をしてでもいいクルマに乗るという風習は少なくなったものの、クルマへの憧れはまだまだ根強いものがある。

 高級車の人気は依然として高い。「クルマのことは、あまり詳しくない」という人に、「どんなクルマに乗りたいか(乗せて欲しいか)」を聞くと、誰でも一度は耳にしたことがある、高級車が上位にランクインする。格好良く質感の高いクルマの人気は、今も昔も変わっていないようだ。

 ホンダ営業マンをしていると「走りにこだわり過ぎて、内装に予算が届いていない」「高級感があれば売りやすいのに」といった声を多く聞いていた。自身も強く思うが、ホンダには圧倒的なステータスを感じられるクルマが少ない。

 パナメーラのように、どこから見てもそれとわかるデザインに、妥協のない高級感のある内装、誰もが認めるステータスを持った4ドアセダンがあることで、高級志向のユーザーへ強く訴求できるだろう。販売側もクルマに自信を持てるのは大きい。

 「ホンダって高級感ないよね」と言われるのは苦しい。だから圧倒的なステータスをもつパナメーラのラインナップは譲れない。

文句のつけどころがない現代最強のファミリーカー:トヨタ・アルファード(2015年モデル)

登場から7年経ってもなおリセールバリューの高さによって高い販売台数をキープするアルファード

 ミニバン市場で圧倒的な人気を誇っているトヨタ・アルファード。「このクルマがほしい」とユーザーからこれほど選ばれるミニバンは他に見当たらない。どこのメーカーも、もらえるものならもらいたいクルマの一つに挙げるだろう。

 ミニバンは今やすべてのメーカーに欠かせないラインナップだ。一家に1台レベルで普及しているため、「お隣さんと違うクルマを選びたい」「あまり乗られていない、いいクルマに乗りたい」と差別化を図りたいユーザーもいる。

 そこで、ワンランク上のミニバンとして選ばれるクルマがアルファードである。ファミリーカーでありながら、高級感があるためステータスを感じることができるだろう。特にエグゼクティブラウンジは圧巻だ。広くゆったりしていながらも、包まれるような座席は、まるで一人掛けのソファーに座っているかのような上質さだ。

 高級ミニバンは、今のホンダに足りないラインナップだと感じる。「ミニバンでワンランク上のクルマに乗りたい。」というユーザーがホンダのクルマを選ぶ可能性は低いだろう。

 ステータスとして選ばれないところがホンダの弱点であり、営業マンの悩みの種である。ミニバン飽和状態の今だからこそ、ライバルを圧倒するアルファードはラインナップに揃えたいクルマである。

 オシャレ代表ミニ、圧倒的なステータスのパナメーラ、現代最強のミニバンアルファード、すべて魅力的なクルマだ。こうしてみると、やはり各メーカーの特長が表れていることがわかる。

 ディーラーで働く営業マンは、自社のクルマにはない特長が、ライバル車の売りになっているからこそ、こうした魅力に惹かれるのかもしれない。

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