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<p>ウクライナ人の父親が娘に別れ…拡散した「悲劇」動画は虚偽 – ライブドアニュース</p><p>【日本でも拡散】ウクライナ人の父親が娘に別れ、動画は虚偽 データを分析ツールで調べると、実際の撮影日は侵攻前。親子は親ロシア派地域の住民とみられ、投稿内容は事実ではなかったという。動画は英語圏などで「ウクライナの悲劇」として拡散されていた。</p><p>ロシアによるウクライナ侵攻を巡り、現地で撮影されたという動画や画像が、日本でもSNSで拡散されている。生々しい状況が伝わってくる一方で、虚偽も交じっている。過酷な環境に置かれている人々に思いを寄せな</p><p>ロシアによるウクライナ侵攻を巡り、現地で撮影されたという動画や画像が、日本でもSNSで拡散されている。 生々しい状況が伝わってくる一方で、虚偽も交じっている。過酷な環境に置かれている人々に思いを寄せながらも、誤った内容を他人に広めてしまわないよう注意が必要だ。 日本でも <ウクライナ人の父親は娘に別れを告げました。彼はとどまって戦うことにしました> 侵攻が始まった2月24日、ツイッターに日本語とともに動画が投稿された。 映っていたのは、男性が幼い女の子の手を握り、涙を流す様子。動画の投稿後、「こんなことあってはならない」「胸が痛い」といったコメントが相次ぎ、3000回以上リツイート(転載)された。 だが、動画のデータを分析ツールで調べると、実際の撮影日は侵攻前だった。親子は親ロシア派地域の住民とみられ、投稿内容は事実ではなかった。動画は英語圏などで「ウクライナの悲劇」として広がっており、日本の利用者らも信じた可能性がある。 最初に誰が投稿したのかは不明。何らかの意図があったのか、勘違いだったのかはわかっていない。 侵攻当日は、他にも「首都キエフを飛ぶロシアの戦闘機」「降下するパラシュート部隊」とする動画が英語などで広がり、日本語のツイッターで紹介する人もいた。だが、数年前にロシアで撮影された予行演習の様子など、無関係の動画が含まれていた。 ■口実作りに利用 一方、ロシア側による情報工作とみられる動画も出回った。「偽旗作戦」と呼ばれ、侵攻の口実作りのために「親露派地域の住民がウクライナに迫害されている」「攻撃されている」という被害をでっち上げていると指摘される。 親露派グループは、左脚を失った男性が倒れ込み、顔をゆがめて苦しんでいる動画を投稿。「ウクライナ側の砲撃で民間人が脚を切断した」と主張した。 だが、欧州に拠点を置く調査機関「ベリングキャット」が解析した結果、男性の膝付近に義足の接続部分らしきものが映っており、主張が事実ではない可能性が高いことがわかった。 親露派グループは、装甲車が進んでくる様子、銃撃シーンの動画なども拡散させている。「ウクライナ側が侵攻してきた」と発信しているが、ベリングキャットは、装甲車の種類や音声などに矛盾点があり、捏造(ねつぞう)の疑いがあるとしている。 ウクライナ人に成りすました偽のSNSアカウントが使われるケースもある。 フェイスブックなどを運営するメタは2月27日、AI(人工知能)で精巧に作り出された架空の人間の顔写真が、プロフィル欄に使われていたなどとして約40のアカウントを利用停止にしたと発表した。 キエフ在住のエンジニアなどを名乗り、「西側諸国はウクライナを裏切っている」「ウクライナは失敗国家だ」などと投稿しており、メタは、ロシアの情報機関が関与している可能性を指摘している。 ■一呼吸置き、発信者確認を ウソの動画や画像に惑わされないためには、どうすればいいのか。 偽情報を研究する桜美林大の平和博教授(メディア論)によると、手口は三つのパターンに分類できる。過去に撮影された無関係の動画などを使う「流用型」、加工ソフトを使った「改ざん型」、出来事をでっち上げる「架空型」だ。 混乱に乗じてSNSで注目を集めようとする人や、主義主張を広めることに利用する人もいる。 平教授は「動画や画像は怒りの感情や共感を喚起しやすく、見た人は衝動的に拡散してしまいやすい。その特性を知った上で、目にした時は一呼吸置き、少し手を止めてほしい。発信者の過去の投稿を調べたり、信頼できるメディアや調査機関、専門家の情報を確認したりすることが重要だ」と指摘する。</p>