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<p>コロナ禍以前の乗客数「戻ることはない」…神奈川の鉄道各社、定期券値上げ・回数券の廃止相次ぐ : 経済 : ニュース</p><p>コロナ禍以前の乗客数「戻ることはない」…神奈川の鉄道各社、定期券値上げ・回数券の廃止相次ぐ #経済</p><p>コロナ禍による利用客減少で苦境にあえぐ神奈川県を走る鉄道各社に、定期券や回数券の割引を中止、縮減する動きが広がっている。車両内の防犯カメラ設置やホームドアの維持管理といったコストの増加も見込まれるなか、交通網を維持する</p><p>ため、苦しい経営判断を迫られている。(樋口貴仁) 東急電鉄と横浜高速鉄道は12日から、直通運転の東横線、みなとみらい線の通勤定期券の値上げに踏み切る。横浜と東京都心をつなぐ路線として、多くの通勤客らを運んできたが、テレワークの普及などもあり、「コロナ禍以前の乗客数に戻ることはない」と判断したためだ。 通勤定期券の1か月分、3か月分は従来の約1割引きから割引なしの通常運賃に、約2割引きだった6か月分は約1割引きになる。利用開始が12日以降でも、11日までに購入すれば従来の販売額。通学定期券に変更はない。 東急電鉄の2022年3月期決算によると、20年4~12月と21年4~12月では、非定期券利用者の輸送人員は5209万6000人増加し、運輸収入も87億4400万円増えている。新型コロナのワクチン接種や、感染対策と経済活動の両立が進んだ影響だ。 しかし、定期券利用者を見ると、輸送人員が2413万4000人増加したにもかかわらず、約1億3700万円の減収。担当者は「戻ってきた乗客の中心は、(利用者の負担額が)圧倒的に安い通学定期を使う学生がほとんどだろう」と分析する。 値上げ分の収入について東急電鉄は「ホームドアなど安全な運行に関わる設備の維持、運営などに充てていきたい」と説明。横浜高速鉄道も「人件費や広告宣伝費の削減などを進めているが、今後の回復が見通せない。利用者に負担をお願いしたい」とし、理解を求めている。 回数券を廃止する事業者もある。横浜市営地下鉄は今月末で「普通回数乗車券」の販売を終了する。切符10枚分の料金で11回乗車できる回数券だが、「ニーズが少しずつ落ちてきている」という。一方で、平日午前10時~午後4時、土日祝日の全時間帯に10枚分の料金で12回乗車できる「昼間割引回数乗車券」は、平日の利用開始時間を午前9時に前倒しする。回数券利用者の受け皿を維持すると同時に、朝のラッシュ時の混雑緩和を見込む。 県内有数の観光地である鎌倉の海沿いを走る江ノ島電鉄も昨年末、回数券の販売をとりやめた。「テレワークや在宅勤務による通勤客の減少、交通系ICカードの普及で、切符の利用者が減ったことから見直した」としている。</p>