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 モビリティリゾートもてぎのレーシングコースに見慣れない深紅のフェアレディZ(Z34)が走っていた。カーナンバー25のそのマシンはスーパー耐久ST-3クラスのゼッケンを装着しているようだ。

 水素エンジンやバイオ燃料などなにかと話題が多いスーパー耐久シリーズだが、このフェアレディZも大きな話題を誘いそうだ。あの日産肝いりの人材育成プロジェクトが関係しているという情報も!!

 気になるマシンにベストカーが独占で直撃してきました。

文/ベストカーWeb編集部、写真/成田颯一、塩川雅人(本誌)

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■日産メカニックチャレンジがスーパー耐久に!?

2022シーズンの日産メカニックチャレンジはGT300と並行してスーパー耐久にも参戦する

 日産自動車大学校と日産販売会社がタッグを組んで、レース現場で人材育成をする「日産メカニックチャレンジ」。すでにスーパーGT GT300にも参戦し、シリーズチャンピオンを獲得するなど話題に欠かないプロジェクトだ。

 このメカニックチャレンジには日産自動車大学校の学生、そして全国の日産ディーラーに勤務するメカニックがレース期間のサーキットに出向き、そこでレースメカニックの補助をするというもの。

 一見するとレース現場での経験は学生やディーラーの整備士にとっては無意味にも思えるのだが、参加者の意見を聞くに「整備への意識が変わった」「より精度の高い整備をしたい」などキャリアへの好影響を与えているようだ。

 そんな日産メカニックチャレンジだが、なんと2022シーズンはスーパーGT GT300と並行してスーパー耐久にも参戦するという。日産自動車大学校は以前にもスーパー耐久を舞台に教育プログラムを実施していたこともあり、スーパー耐久の舞台に日産メカニックチャレンジが戻ってきたことになる。

 またスーパー耐久に参戦するチームはスーパーGTのKONDOレーシングとは異なり、TEAM ZEROONE(チーム・ゼロワン)というエントラントになる。参加クラスはST-3クラスでマシンはフェアレディZ(Z34)だ。メンテナンスは老舗の浅野レーシングが担当し、ドライバーは富田竜一郎、名取鉄平、白坂卓也の3名と発表された(なお浅野レーシングのスーパー耐久参戦は並行して継続)。

 チームの基軸となる富田はGT3マシンの経験も豊富で国内外のレース経験の引き出しも多いドライバー。モビリティリゾートもてぎでのテストで直撃したところ、マシンの順応などはさすがに問題がなさそう。プロジェクトについても大きな期待を寄せているとのことで、今後の富田を主軸としたチームの走りが楽しみだ。

■気になるマシンはどうなっている??

野太いマフラーと大きなウイングが迫力のリアスタイル。メインスポンサーとしてラフィーネ、そして日産車のエアロで注目が集まるBUSOUのロゴも

 スーパー耐久のST-3クラスは3500ccまでの後輪駆動のクラスになるが、フェアレディZは3700ccのため特認車両としてこれまでも参戦してきた経緯がある。今回の25号車についても同様だろう。

 マシンのカラーリングは鮮やかなレッドが印象的。リアには差し色としてビビッドなピンクもあり、1995年のル・マン参戦時のGT-Rを彷彿とさせる。メインのスポンサーとしてラフィーネ、そして近年日産車のエアロで注目が集まるBUSOUのロゴも確認できた。

 BUSOUがスポンサードしていることからも今後のエアロ開発の場として機能する可能性もあり、もしやすると新型フェアレディZの投入の可能性もあるかもしれない。レース好きとしても大注目のマシンだ。

 気になるのがスーパー耐久とスーパーGTの2カテゴリーでどのように日産メカニックチャレンジのプログラムが進むかということ。現時点では詳細が見えてこないが、すでにテストを行っているスーパーGTの56号車にも日産メカニックチャレンジのロゴは入っており、学生やメカニックは両カテゴリーにグループ分けをして参加するとみられる。

 感染症対策のためチーム関係者の人数制限もスーパーGTでは実施されており、泣く泣く参加をあきらめた学生も多くみられた2020-2021の2シーズン。

 それを解消するためにもスーパー耐久への参戦という選択肢がとられたとみられる。多くの若者がモータースポーツに関心を持ち、そしてなにより自動車に関わる整備士の待遇改善のためにもこのプロジェクトは有意義なものになるはずだ。

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