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2021年末に上場した米国の電気自動車メーカー、Rivian(リビアン)が、第4四半期の決算と2021年暦年の業績を発表した。この結果は、2022年の生産予測とともに、ウォール街を失望させ、同社の株価は最安値を更新した。

Rivianが米国時間3月10日に発表した決算報告資料によると、2021年第4四半期の収益は5400万ドル(約63億3000万円)で、通年の総収益である5500万ドル(約64億4000万円)のほとんどを占めている。同社は2021年度に合計920台の車両を納車したが、そのうち909台は最後の3カ月間に納車したものだ。

同社は2021年第4四半期に大規模な納車に移行したものの、予想通り損益分岐点に近づくためには、単純に十分ではなかった。調整後ベースでは、Rivianは1株当たり2.43ドル(約285円)の損失を出した。

事前にYahoo Finance(ヤフー・ファイナンス)は、同期の総収益が6399万ドル(約75億円)に対し、調整後ベースで1株当たり2.05ドル(約240円)の損失となる見込みと報じていた。簡単にいえば、Rivianは人々の予想より少ない収益を計上し、より多くの損失を出したということだ。

通常取引では、Rivianの株価は6.35%急落して41.16ドル(約4800円)となり、52週間ぶりの安値となった他、ナスダック総合株価指数も1%近く下落した。決算発表後の時間外取引では、リビアンの株価は13%以上も下落した。

当然ながら、我々は調整後の数字には常に懐疑的なので、GAAP(米国会計基準)の結果にも目を通しておこう。2021年第4四半期、Rivianの収益は5400万ドルで、粗利益は3億8300万ドル(約449億円)の赤字、すべての費用を含む純損失は24億6000万ドル(約2900億円)、1株当たり4.84ドル(約567円)となる。2021年通期では、同社の収益は5500万ドルで、粗利益は4億6500万ドル(約545億円)の赤字、純損失は46億9000万ドル(約5500億円)、1株当たり-22.98ドル(約2690円)だった。

我々は単に得意げに粗利益の結果を載せているわけではない。これは決算報告で「2022年を通じてマイナスの粗利益を認識している」と述べた同社の問題だ。だから、同社が2022年、営業的に損益分岐点に近づくことは期待できない。代わりに粗利益の中立に向けて必死にもがくことになるだろう。

しかし、それはあくまで数字の話である。また、生産増強に忙しいEVメーカーにとって、赤字は当たり前のことだ。というわけで、ここからは、納車、価格設定、混乱するサプライチェーン、そして同社にとって今後の数4半期がどうなるかについて話そう。

今後の展望は?

Yahoo Financeは、Rivianが2022年に4万台の納車を目指すというアナリストの予想を事前に報じていた。しかし、同社が決算報告で「当社のR1およびRCVプラットフォーム全体で2万5000台を生産するのに十分な部品や材料がある」と述べたことで、この数字は大幅に縮小されることになった。

この生産台数は、Rivianの予想する47億5000万ドル(約5570億円)の調整後EBITDA損失と調和せず、同社はより厳密な利益指標を示していない。

Rivianの2022年は、サプライチェーンが逼迫する中、GMやFord(フォード)など、自社でEVピックアップトラックやSUVを発売する他の自動車メーカーとの競争にさらされる、厳しい年になりそうだ。

同社のRJ Scaringe(RJ・スカリンジ)CEOは、生産規模の拡大とサプライチェーンの管理を支援する新しい最高執行責任者を来週発表する予定だと述べている。

「現在、我々が直面している最大の制約は、まさにサプライチェーンにあります」と、スカリンジ氏は電話会議で投資家に語った。「本当に少数の部品しか供給されず、当社の生産ラインの増強と同じ速度でサプライヤーが部品の生産を増強しているわけではありません」。

「サプライヤーの制約がなければ、2022年中に5万台以上の生産を達成できると確信しています」と同氏は続けた。

つまり、もし世界が違えばリビアンの収益拡大も、まあ、違って見えるということだろう。

画像クレジット:Kirsten Korosec

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(文:Alex Wilhelm、Jaclyn Trop、翻訳:Hirokazu Kusakabe)