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 4月10日、MotoGP第4戦アメリカズGPの決勝レースがサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われ、MotoGPクラスはエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)が今季2勝目を飾った。マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は6位、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は14位だった。

 決勝レースは気温27度、路面温度50度のドライコンディション。フロントロウに並んだ3人のドゥカティライダーのうち、トップを奪ったのは2番グリッドスタートのジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)だった。2番手にはホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が3番手に続いていたが、エネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)がバニャイアをかわして3番手に浮上する。また、9番グリッドスタートのマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)はスタートに失敗し、大きく後退した。

 ミラーはトップをキープしつつも、その背後にはマルティン、バスティアニーニ、さらにバニャイアとヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)というドゥカティのライダーが続く状況。トップから5番手までをドゥカティが独占する。

 この一角を崩したのはアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)だった。リンスは4周目にバニャイアをパスして5番手に浮上。ファステストラップを叩き出しながら前を走るザルコを追い、9周目にパスして4番手に浮上した。

 レース中盤、依然としてトップを走るミラーは2番手以下に対し差を広げつつあったが、2番手争いは激戦となった。2番手を走っていたマルティンはバスティアニーニ、さらにはリンスに相次いでかわされ、4番手に後退。バスティアニーニが2番手、リンスが3番手にポジションを上げた。

 その後方ではマルク・マルケスがファステストラップを叩き出しながら猛烈な勢いでポジションを回復していた。マルク・マルケスは14周目に2分3秒553のファステストラップ・レコードを記録。15周目にはザルコやファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)をかわして7番手に浮上する。

 一方、残り5周になるころ、トップのミラーに2番手のバスティアニーニが迫り、その差はついに0.2秒ほどになった。ミラーがペースを落とす一方、バスティアニーニは終盤にファステストラップ・レコードをマークする。勢いに乗るバスティアニーニは残り5周のバックストレートでミラーの前に出ると、12コーナーでパス。バスティアニーニがこのレースで初めてトップに立った。

 ミラーはさらに残り2周で3番手のリンスにギャップを詰められる。最終ラップにはリンスがこのレース中に幾度となくオーバーテイクを披露した11コーナーでミラーをパス。その先の約1.2kmのストレートでミラーがリンスを抜き返すが、リンスはさらに19コーナーでミラーのインに飛び込んだ。

 優勝を飾ったのはバスティアニーニ。終盤にトップに立ってからはその座を脅かされることなくトップでチェッカーを受け、今季2勝目を飾った。最後の2番手争いを制したのはリンスで、2戦連続の表彰台を獲得。ミラーは惜しくも3位だったが、今季初表彰台を獲得している。これまで苦戦を強いられてきたドゥカティ・レノボ・チームとしても、今季初めての表彰台獲得となった。

 4位はジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)、5位はバニャイア。そして、終盤にマルク・マルケスとクアルタラロによって繰り広げられた6番手争いはマルク・マルケスが制し、6位。マルク・マルケスはスタートの遅れを挽回した。クアルタラロは7位フィニッシュ。ポールポジションスタートのマルティンは8位だった。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)はペースに苦しみ、14位でレースを終えた。