AMDでは4月に登場するRyzen 7 5800X3Dに合わせてRyzen 5000シリーズのミドルレンジモデルの追加投入など商品ラインアップの強化を行う予定ですが、Ryzen 5000シリーズのエントリーモデルであるRyzen 3など追加で10モデルほど4月に発売を予定しているようです。
Ryzen 3 5100など合わせて10モデルを追加投入へ
AMDでは2020年末頃にZen3アーキテクチャーを採用したRyzen 5000シリーズを発表、発売を行いましたが当初のラインアップはRyzen 5 5600XやRyzen 7 5800X、Ryzen 9 5900X、Ryzen 9 5950Xの4モデルしかありませんでした。また価格帯も最低4万円とアッパーミドルレンジ以降のみ登場しており、エントリーからミドルレンジを求めるユーザーの需要は満たせていませんでした。そんな中で、Ryzen 5000シリーズの1年後に登場したIntel Alder Lake-Sシリーズではエントリーからハイエンドまでのフルラインアップを実現、2021年末頃からは自作PC市場のCPUシェアはIntelが大きくリードする状態になっています。
ヽこのような状況に陥っているAMDではRyzen 5000シリーズに追加でRyzen 7 5800X3Dのハイエンドモデルの他、Ryzen 5 5600や5500などミドルレンジモデルを2022年4月に投入予定としていますが、さらにRyzen 3 5100やRyzen 4000シリーズなどエントリー向けモデル合わせて10モデルを4月までに発売をするようです。
モバイル向けCezanneがベースのCPUが3モデル追加。
数日前に、AMDではRyzen 5 5700XやRyzen 5 5600、Ryzen 5 5500を近いうちに発売するという話がありましたが、どうやら追加でRyzen 7 5700とRyzen 3 5100の発売も4月中に予定されているようです。
そして、こラインアップの中でRyzen 7 5700、Ryzen 5 5500、Ryzen 3 5100ではモバイル向けAPUであるCezanneをベースに内蔵GPUを無効化したモデルとなります。
CPUモデル | 価格(北米) | 日本円予測 | コア数/スレッド数 | 動作クロック | L3キャッシュ容量 | TDP |
---|---|---|---|---|---|---|
Ryzen 7 5700 | $249.00 | ¥29,880 | 8コア/16スレッド | 3.4 / 4.5 GHz | 16MB | 65W |
Ryzen 5 5500 | $159.00 | ¥26,049 | 6コア/12スレッド | 3.6 / 4.2 GHz | 16MB | 65W |
Ryzen 3 5100 | $119.00 | ¥14,280 | 4コア/8スレッド | TBD | 16MB? | 65W |
Ryzen 7 5700ではCezanneに搭載されているCPUを全て有効化した8コア16スレッド構成になっています。価格はRyzen 7 5700Xが299ドル、日本円で約35,880円で販売されると予測されていますが、Ryzen 7 5700では29,880円と価格が大きく下げられています。
Ryzen 5 5500ではコア数は6コア12スレッドに下げられていますが、価格も159ドル、日本円換算で26,049円とリーズナブルな価格設定が行われる予定となっています。
Ryzen 3 5100はRyzen 5000シリーズとしては初めて販売されるエントリー向けのRyzen 3シリーズとなり、4コア8スレッドとなる見込みです。おそらくIntelのCore i3-12100をライバルに見据えたモデルと見られており価格は119ドル、日本円換算で14,280円になると予測されています。
合計10モデルを追加、Zen3系が6モデル、Zen2系が4モデル。Zen3系は混乱必須のカオスラインアップ
CPUモデル | 搭載CPU世代 | コア数/スレッド数 |
Ryzen 7 5800X3D | Zen3 Vermeer-X | 8コア/16スレッド |
Ryzen 7 5700X | Zen3 Vermeer | 8コア/16スレッド |
Ryzen 7 5700 |
Zen3 Cezanne |
8コア/16スレッド |
Ryzen 5 5600 | Zen3 Vermeer | 6コア/12スレッド |
Ryzen 5 5500 | Zen3 Cezanne | 6コア/12スレッド |
Ryzen 3 5100 | Zen3 Cezanne | 4コア/8スレッド |
Ryzen 7 4700 | Zen2 Renoir-X | 8コア/16スレッド |
Ryzen 5 4600G | Zen2 Renoir | 8コア/16スレッド |
Ryzen 5 4500 | Zen2 Renoir-X | 6コア/12スレッド |
Ryzen 3 4100 | Zen2 Renoir-X | 4コア/8スレッド |
4月に追加される10モデルのうち、6モデルはZen3系アーキテクチャーを搭載したモデルとなっており、4モデルがZen2系アーキテクチャを搭載したモデルなっています。
ただ、この中でもZen3系はデスクトップ向けのVermeerをベースとしたCPUとモバイル向けのCezanneをベースとしたモデルが混在した状態になっておりモデルナンバーを見ただけではそれが分かりません。仕様上でこの2つが大きく異なるのはL3キャッシュの容量となっており、Vermeerベースのモデルでは32MB以上を搭載している一方で、Cezanneベースのものは16MB以下しか搭載していません。なおRyzen 7 5800X3Dに搭載されているVermmer-Xは3D V-Cacheを搭載しているためCPUアーキテクチャの名称末尾にXが付けられているようです。
Zen2系も2種類のCPUが混在していますがどれもモバイル向けRyzen 4000シリーズであるRenoirがベースとなっています。ただ、内蔵GPUが無効化された無印モデルではRenoir-Xと末尾にXが付けられています。こちらは3D V-Cacheは付くという意味ではなく内蔵GPUが無効という意味のXとなっています。
一部の追加モデルは4月4日から発売へ、残りも4月中に発売
CPUモデル | 発売予定日 |
Ryzen 7 5800X3D | 2022年4月20日 |
Ryzen 7 5700X | 2022年4月4日 |
Ryzen 7 5700 | 2022年4月末まで |
Ryzen 5 5600 | 2022年4月4日 |
Ryzen 5 5500 | 2022年4月4日 |
Ryzen 3 5100 | 2022年4月末まで |
Ryzen 7 4700 | 2022年4月末まで |
Ryzen 5 4600G | 2022年4月4日 |
Ryzen 5 4500 | 2022年4月4日 |
Ryzen 3 4100 | 2022年4月4日 |
Ryzenの追加モデルはすべて4月中に発売が予定されており、この中もでRyzen 7 5700X、5600、5500、4600G、4500、4100の6モデルに関しては4月4日の発売が予定されているとのことです。また、Ryzen 7 5700X3Dは4月20日発売が予定されており、それ以外のRyzen 7 5700やRyzen 3 5100なども4月末までの発売で予定がされているようです。
Alder Lake-Sの好調ぶりにAMDは相当焦っているのか、Ryzen 5000シリーズやRyzen 4000シリーズ合わせて10モデルを一気に追加するようです。Zen4の発売は今年で計画はされていますが、おそらくミドルレンジ以下のモデルはZen4の初期ラインアップでは計画されていないため、このタイミングでエントリーからミドルレンジラインアップを充実させてきたと考えられます。
個人的にはもう少し早く出して欲しかったところですが、IntelのAlder Lake-Sのミドルレンジモデルに対してどれだけコスパ的にアドバンテージがあるのかなど早く見てみたいところです。もしあまりアドバンテージがなければAMDはしばらく厳しい戦いを強いられそうですが、ここはAMDに期待したいところです。
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