ドライブを楽しむにあたって高速道路などを使う際、もはや必須といっていいのがETCだ。いまさら料金所であわてて財布を出すような面倒なことはしたくないというのが本音ではないだろうか。
ところが一部の有料道路ではETCに対応していないことがある。ベストカーが撮影などに利用することが多い箱根ターンパイクはその代表的な道路の一つだった。ところが2022年3月よりETCが利用できるようになった。それを実現したのが「ETCX」という技術だ。
「ETCX」といわれると「ETCと何か違うの?」となりそうだが、その使い方についてご紹介しよう。
文/藤田竜太、写真/ETCソリューションズ株式会社、ベストカー編集部
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■「ETCX」とはなんだ?
高速道路でのETCの利用率が93%以上になった昨今では、ETCの使えない地方道路公社の有料道路、有料橋などがとても不便に感じてしまう……。せっかくETCがあるのだから、高速道路以外でも使えればいいのに。
そうしたリクエストに応える、ETC技術を活用したキャッシュレス決済が少しずつ広まりだしている。それが「ETCX」。
ETCXは、高速道路以外の有料道路や、駐車場やドライブスルーなど街なかでの支払いにも運転席に座ったままキャッシュレスで決済できる会員制サービス。
直近では、2022年3月28日から神奈川県のアネスト岩田ターンパイク箱根(箱根小田原本線)でもETCXの運用が集まり話題となった。
前述の通り、ETCXは会員制のサービスなので、利用するには事前に会員登録が必要。入会金や年会費は無料だが、ETC車載器とクレジットカード、クレジットカードに付帯するETCカードは不可欠。
会員登録サイト(URL:https://etcx.jp)にアクセスし、下記の情報を入力する。
・住所、氏名、生年月日、電話番号、メールアドレス
・クレジットカード番号とその有効期限
・クレジットカードに付帯するETCカード番号とその有効期限
有料道路ではターンパイクの他に、静岡県の伊豆中央道【江間料金所】と、修善寺道路【修善寺料金所】と【大仁料金所】、それから大阪府の鳥飼仁和寺大橋有料道路で利用可能。
なお、箱根ターンパイクでも「箱根伊豆連絡線」(湯河原峠料金所)は対象外となっているので要注意。
■これからのサービス拡大に期待
「え? まだまだそれだけ?」と思うかもしれないが、ETCXには導入コストが安いというメリットがあるので、これから他の有料道路をはじめ、商業施設や遊園地などの駐車場、ドライブスルーやガソリンスタンド(愛知県のオイルバンク新城店ではすでに利用可能)、カーフェリーやEV充電スタンド、ゴミ処理施設といったところまでサービスがどんどん広がっていくことが見込まれている。
なぜETCXの導入コストが安価かというと、高速道路のETCはETCゲートを通過するとき、車両が走行しながら認証できるのが重要で、高性能なアンテナを装備するのが必須だったのに対し、ETCXは認証処理をクラウド上で行なう「ネットワーク型ETC」を採用したため。
この「ネットワーク型ETC」は、従来のETCよりも認証するまで少々時間がかかるが、設備はミニマムで、利用者の少ない道路や施設でも導入しやすいというわけだ。
その代わり、ターンパイクなどETCXを導入した道路の料金所では、通過する際、一時停止が必要となる。
料金所では、停止位置で一旦停止し、料金収受員に「ETCX」での決済を申し出て、料金収受員から決済完了の合図があったら、ゆっくりと発進させるというが手順だ……。
それでもキャッシュレス&タッチレスで料金所を通過できるのなら、ドライバーとしては大歓迎。
ETCXのサービスを提供しているETCソリューションズ株式会社では、2024年までにETCX対応施設・店舗を100カ所まで増やし、将来的には全国10000カ所での利用を目指すとのことなので、これからのサービス拡大に期待しよう。
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