Instagram(インスタグラム)は、クリエイターが自分の作品に対する評価を受けやすくするために、新たな拡張タグを導入する。同社によると、この拡張タグによって、ユーザーは閲覧した写真や動画の投稿の中で、クリエイターによる特定の貢献を認知・共有できるようになるという。このタグの中には、クリエイターが自ら指定した役割を示すプロフィールカテゴリーが表示される。クリエイターは自分の投稿に、他のクリエイターのタグを付けることが可能になり、より多くの人に各自の作品を知ってもらうことができる。
この新しい拡張タグを使用するには、投稿を作成する際に「Tag People」をタップし、そこから「Select Add Tag(追加するタグを選択)」をタップして、作品に寄与したクリエイターを検索・選択する。そして「Show Profile Category(プロフィールカテゴリを表示)」をタップすると「スタイリスト」や「フォトグラファー」などのクリエイターカテゴリが表示されるので、そこから相応しいものを選べばよい。
「創作に対する適切な評価と認識は、発見、新たな機会、そして経済的エンパワーメントの出発点です」と、Instagramはこの発表に関するブログ記事で述べている。「多くの黒人や過小評価されたクリエイターにとって、クレジット表記はクリエイターとして持続可能なキャリアを築くための入り口であると同時に、文化的盗用を防止し、誰が文化を牽引しているかを世界に確実に伝えるものです。簡単にいうと、もしあなたが、メイクアップアーティストやソングライターなど、その作品における重要な協力者であるなら、投稿の中であなたの貢献が、よりはっきりと目で見てわかるようになるということです」。
この新しい拡張タグは、オンライン上で自分の作品に対する評価を受け取っていないという黒人クリエイターたちによるコンテンツストライキを受けて、導入されたものだ。Instagramは、この新しいタグについてのブログ記事で、適切なクレジット表記が「裏方として貢献することが多い、主流から追いやられた、過小評価されたクリエイターや協力者にとって、特に重要である」と認めている。Instagramは、新しいタグを通じてこのような懸念に対処し、より多くのクリエイターが自分の作品に対する評価を受け取れるようになることを期待している。
今回の新しいタグの導入は、Instagramが2つの古いアプリをアプリストアから削除したことを認めたのと同じ日に行われた。この2つのアプリとは、2014年に初めて登場したタイムラプス動画アプリ「Hyperlapse(ハイパーラプス)」と、2015年にリリースされたループ動画アプリ「Boomerang(ブーメラン)」だ。とはいえ、Instagramがこれらのアプリを廃止したことに驚きはない。どちらも元々は、Instagramの旗艦アプリを停頓させることなく、Instagramユーザーに新たなクリエイティブツールを提供するためのものだった。しかし、そのメインアプリに、あまりにも多くの機能を詰め込みすぎることに対する同社の懸念は、すでに過去のものとなっており、現在のInstagramは、メインアプリ本体で、短い動画コンテンツの「Reels(リール)」、オンラインショッピング、ライブ動画など、数多くのツールや機能を提供している。
この2つのアプリの削除が確認される数日前には、Instagramは独立した動画アプリ「IGTV」のサポート終了を発表している。同社は今後、すべての動画をInstagramのメインアプリに統合することに注力し、これから数カ月かけてメインアプリ内における動画の平易化と改善を続けていくとしている。
画像クレジット:Instagram
[原文へ]
(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)