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チップメーカー大手のNVIDIA(エヌビディア)は、UberからスピンアウトしたServe Robotics(サーブロボティクス)に1000万ドル(約11億6000万円)を投資する。Serve Roboticsはこの資金により、歩道配送ロボットサービスをロサンゼルスとサンフランシスコ以外にも拡大する。

NVIDIAにとっては歩道配送分野での初めての投資となる。両社の長期的な協力関係の一環であり、それぞれのロボット関連技術を発展させるために協働する。

「NVIDIAの投資は、Serveとの長年の提携が根底にあります。Serveは、エッジからクラウドベースの技術まで、当社のさまざまな技術を利用しています」とNVIDIAのロボティクス担当シニアプロダクトマーケティングマネージャーGerard Andrews(ジェラルド・アンドリューズ)氏はTechCrunchに話した。「私たちがうれしく思っているのは、ラストマイルデリバリーの問題に関して可能なことの限界を押し広げるために、Serveと密接に協力できるということです」。

Serveのロボットは、同社によると、特定のジオフェンス領域(仮想的な地理的境界で囲まれた領域)の中で、安全のための遠隔操作者なしで動作が可能だ。現在はNVIDIAの「Jetson」エッジAIプラットフォーム、ハードウェア、あるいは計算モジュールに依存している。いずれもロボット内部にあり、自律動作に力を与える。同社は、NVIDIAの認識・マッピングツールも利用している。これは、ロボットが実世界の環境のどこにいて、どこに行く必要があるのかを理解するのに役立つ。

多くの自動運転車メーカーと同様、Serveも道路を走る前にシミュレーションでモデルをテストしている。そのために、NVIDIAは認識モデルをトレーニングするための合成データ生成ツールを提供している。

これらのツールは、ロボット開発者に、シミュレーションからロボットフリートマネジメントに至るさまざまなソフトウェア技術を提供するNVIDIAのツール群(愛称:Isaac)の一部として提供される。NVIDIAは、Serveとの提携から得た教訓を、新進のロボット分野での技術向上に役立てたいと考えている、とアンドリューズ氏はいう。

「私たちは、自動運転のリーディングカンパニーだと考えています。実世界で本物の自動運転ロボットをスケールアップしています」とServeの共同創業者でCEOのAli Kashani(アリ・カシャニ)氏はTechCrunchに話した。「NVIDIAは、ロボット業界全体にとって最も重要な企業の1つです。NVIDIAはツールにも投資しています。発展途上の分野であることを考えれば、両社が協力することは理にかなっています」。

歩道配送の商業化には現在、さまざまなアプローチが試みられている。Coco(ココ)や最近まではTortoise(トータス)のような企業は、ロボットを目的地まで運転するために遠隔オペレーターを活用し、完全な自動運転に比べ、迅速かつ容易に市場に参入する道を開いてきた。

Serveは最初から、技術的により困難な、完全自動運転への道を選んだ。それはつまり、リアルタイムのデータ処理のために、最高の計算能力を必要としているということを意味する。

「歩道は道路よりも混沌としています」とカシャニ氏は話す。「私たちはヤギに遭遇したこともあります。歩道で直面するランダム性は、道路よりも1桁高いのです。車線変更、ブレーキ、アクセルなど、道路を走る車の動作ははっきりしています。歩道では、いつ何が起きてもおかしくないわけで、そのための準備が必要です。ここがおもしろいところで、だからこそ歩道の方がチャレンジングなのです。もちろん、利点は物事がゆっくり進むことです。そのため、対応する時間が持てます」。

Serveがここ数カ月で受け入れた戦略的投資は、これが初めてではない。12月にはシードラウンドで1300万ドル(約15億円)を調達し、Delivery Hero(デリバリーヒーロー)に投資したDX Ventures(DXベンチャーズ)、7-Eleven(セブンイレブン)のコーポレートVC部門である7-Ventures(セブンベンチャーズ)、Uber Eatsの配達サービスパートナーとしてServeを起用するUber(ウーバー)など、商業化に向けServeの進む道を支援する投資家が参加した。

画像クレジット:Serve Robotics

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi