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<p>キエフの「グロズヌイ化」、プーチン氏の政治目標も破壊-戦争は泥沼</p><p>キエフの「グロズヌイ化」、プーチン氏の政治目標も破壊-戦争は泥沼</p><p>身の毛もよだつロシア軍のウクライナ侵攻を見ていると、この悲劇を以前にも目にしたとの感覚を禁じ得ない。住宅地や避難路への砲撃、無秩序で尊大な攻撃は、チェチェン、ジョージア、シリアで全て見られた光景だ。場所がどこであれ、ロシア軍は都市をがれきの山にした。</p><p>プーチン大統領がウクライナでの戦争を始めて2週間足らずだが、達成可能な最終目標がない泥沼の様相を呈し始めつつある。プーチン氏は侵攻に際し、ウクライナに「反ロシア」でない政権を樹立し、冷戦後の欧州安全保障の秩序をロシアが望む方向に変えるという目標を持っていた。こうした目標とウクライナの荒廃とを、どのように整合できるのかは不明だ。 プーチン氏の目標はどれも実現しそうにない。ウクライナを完全に見誤っていたからだ。プーチン氏はソ連の復活に似た形が歓迎はされなくても、少なくとも受け入れられるとみていた。軍事的にも大きな計算ミスを犯し、戦争初期に軽武装のロシア兵数百人がその犠牲になった。 「ロシアは2014年のクリミア併合のような形をもくろんだが、1994年のチェチェンになってしまった」とカフカス地域を研究するトーマス・デワール氏は指摘する。クリミア併合ではほぼ流血の事態が起きなかったが、94年のチェチェンでは独立を阻止しようとするロシアが2回にわたる残酷な戦争を開始した。この戦争では妥当な見積もりとして約5万人の民間人が犠牲になったとされ、チェチェン共和国の首都グロズヌイは廃墟と化した。ウクライナの人口はチェチェンの30倍だ。 1995年のチェチェン Source: AFP/Getty Images チェチェンの戦闘が終了した際、プーチン氏は軍閥のカディロフ氏を同共和国の大統領に据え、広範な自治権を与えて好きなように統治させた。このモデルをウクライナに移植するのは難しいだろう。まず、非常に広大なウクライナを1人の軍閥や武装集団指導者が支配するのは不可能だ。さらに、ロシア人有権者の多くはイスラム教徒が大半を占めるチェチェン人にあまり親しみを持っていなかったのに対し、プーチン氏はウクライナ人とはつまりロシア人であり、キエフは中世におけるロシアの歴史と文化の源だと長年主張し続けてきた。 短期間での無血勝利であれば、確かにロシア国内で支持を得られただろう。キエフを「グロズヌイ化」する戦争は、そうでない可能性が高い。長く続く国際的な孤立という犠牲を強いられる場合にはなおさらで、陰惨な現実はメディア規制にもかかわらずロシア国内に伝わるはずだ。ワシントンの安全保障シンクタンク、CNAのロシア軍事力に関する専門家であるマイケル・コフマン氏は、「この戦争がどれだけ長く続こうとも、ロシアが政治的な目的を達成することはできない」と述べた。 原題:</p>