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フランスのスタートアップ「Silvr」は、シリーズAラウンドで1800万ユーロ(約23億7500万円)の資金を調達するとともに、同社の活動のために1億1200万ユーロ(約147億8000万円)のデット調達も実施した。Silvrは、eコマース企業やSaaS企業に新たなクレジット機会を提供したいと考えている。基本的にSilvrが目指しているのは、米国のPipe(パイプ)やカナダのClearco(クリアコ)のような経験をヨーロッパに導入することだ。

中央ヨーロッパ時間2月8日の資金調達ラウンドには、XAnge、Otium、Bpifrance、Eurazeo、ISAIが参加した。また、Alexandre Prot(アレクサンドル・プロット)氏、Steve Anavi(スティーブ・アナビ)氏、Raphaël Vullierme(ラファエル・ヴァルリエム)氏、Louis Chatriot(ルイ・シャトリオ)氏、Pierre Dutaret(ピエール・デュタレ)氏などのビジネスエンジェルも出資している。

2020年にスタートしたSilvrは、Cuure、French Bandit、Almé Paris、Emma&Chloéなど、すでに100社に出資している。VCファンドとは異なり、Silvrは資本を提供するが、株式は取得しない。また、従来の銀行とは異なり、Silvrは資産を持たないリスクの高いビジネスにも融資することができる。

企業がSilvrにクレジットを申請すると、企業は銀行口座、Google Analytics、Shopify(ショッピファイ)などのECプラットフォーム、Stripeなどの決済に使用しているプラットフォームなど、さまざまなデータソースへのアクセスを許可する。

Silvrは独自のスコアリングアルゴリズムを開発しており、これらのデータに基づいて意思決定を行う。同社は今のところ、主にeコマース企業とSaaSスタートアップに焦点を当てている。そうすることで、過去の売上をもとに将来の収益を予測しやすくなるからだ。

平均して、クライアントはSilvrから何らかの融資を受けた2カ月後には、収益が64%増加している。また、Silvrのクライアントの35%がVCファンドから資金を調達していることからわかるように、Silvrは必ずしもVC資金に取って代わるものではない。

Silvrは、さまざまな資金の受け取り方を提供している。従来の電信送金に加えて、このスタートアップはバーチャルカードを提供したり、パートナーに直接支払うこともできる。たとえば、新しい広告キャンペーンのためにSilvrを利用したい場合、Silvrが直接請求書を支払うことも可能だ。

返済に関しては、クライアントは従来の月払いプランで返済することもできれば、収益の一部を返済に充てることもできる。

欧州でCapital-as-a-Service(CaaS、キャピタル・アズ・ア・サービス)に取り組んでいるのはSirvrだけではない。Karmenはフランスで、Uncappedは英国で、それぞれ同様の製品に取り組んでいる。

画像クレジット:Image Source / Getty Images

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)