2022年F1第3戦オーストラリアGPの予選が行われ、フェラーリのシャルル・ルクレールがポールポジションを獲得した。2番手はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手はセルジオ・ペレス(レッドブル)となっている。アルファタウリの角田裕毅は13番手だった。
3年ぶりの開催となったオーストラリアGP。舞台となるアルバートパーク・サーキットは、いくつかのコーナーの幅を広げ、ターン9、10のシケインを取り払ったことで、かなりの高速コースに生まれ変わった。実際、初日フリー走行のラップタイムは、4秒近く速くなっている。
DRSゾーンも史上最多の4箇所に設定されたが、FP3開始直前という異例のタイミングで「安全上の理由」から3箇所に減らされた。チームにとっては予選、レースに向けてのセッティング変更をせざるを得ず、どれだけの影響が出るかも要注目だ。
現地時間午後4時からの予選は、晴れ、気温23.8度、路面温度31.8度のコンディションで始まった、上空には少なからぬ雲が垂れ込めているものの、セッション中の降水確率は20%と低い。
直前のFP3で立て続けにクラッシュを喫したアストンマーティンの2台。ランス・ストロールは何とか間に合ったものの、セバスチャン・ベッテルは出られそうにない。
Q1でまずトップに立ったのは、フェラーリのルクレール。初日からポーパシング(激しい縦揺れ現象)が出ているが、その影響をほとんど感じさせない速さだ。しかし最終的にレッドブルの2台がフェラーリをしのぐ速さを披露し、1-2を形成した。
1セット目のアタックを終えた時点で、首位はフェルスタッペン。コンマ2秒落ちでペレス、3番手ルクレール、4番手カルロス・サインツ(フェラーリ)。そして5、6、7番手にはフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)、ランド・ノリス(マクラーレン)と中団勢が食い込んできた。メルセデスはルイス・ハミルトン8番手、ジョージ・ラッセル9番手に留まっている。
Q1残り2分となった開始後16分、ストロールとニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)がターン5で接触。ウイリアムズのマシンはバリアに激突して大破。セッションは赤旗中断となった。ストロールは「あいつが突然進路を変えてきやがった」と叫んだが、むしろラティフィが幅寄せされたように見える。ストロールはタイムを出せないままセッションを終えた。
15分後にセッションが再開し、8番手ハミルトン以下の10台が最後のアタック。マシンの修理中だったベッテルはチームメイトの事故による赤旗中断が幸いして、かろうじてコースインにこぎ着けた。しかし18番手が精いっぱい。他にアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、ケビン・マグヌッセン(ハース)、そして事故を起こしたラティフィ、ストロールがQ1落ちとなった。
アルファタウリの2台は、ピエール・ガスリー10番手、角田裕毅13番手でQ2に進んだ。
Q1終了直後にアルボンがコース上に止まったこともあって、Q2は19分遅れの16時44分に始まった。フェラーリの2台は前戦サウジアラビアGP同様、中古のソフトタイヤを履いている。1セット目のアタックは、ペレスが1分18秒340でトップ。2番手にフェルスタッペン、3番手にはアロンソが入った。4番手ルクレール、5番手ノリス、6番手ラッセル。角田は途中でアタックを中断して14番手。ガスリーは10番手だ。
フェラーリはニュータイヤに履き替え、サインツ2番手、ルクレール3番手につけた。このセッション、トップはペレス。4番手フェルスタッペン。メルセデスはラッセル7番手、ハミルトン8番手で、かろうじてQ3に進んだ。アルファタウリはガスリー11番手、角田13番手で、2台ともQ2落ちを喫した。12番手に終わったボッタスは、自身のQ3連続進出記録が“103”でついに途絶えた。
Q3最初のアタックでは、まずフェルスタッペンが最速タイムをマーク。しかし最終区間ターン13でタイムロスを喫し、直後にペレスが1000分の1秒差で首位を奪った。
セクター2で最速タイムを出していたアロンソが、ターン11でクラッシュ。「油圧が落ちて、ダウンシフトができなかった」と無線で報告していた。幸いケガはないようだが、セッションは赤旗中断となった。直前にアタックを終えていたルクレールが、ペレスを0.159秒しのいで暫定ポールだ。
17時25分にQ3が再開。すでに日は沈みかけ、夕日が眩しいためドライバーたちはバイザーを取り換えている。残り6分58秒。最後のアタックでペレスは自己ベストを更新したが、ルクレールに1000分の1秒及ばない。
その後フェルスタッペンがトップタイムを出すが、直後にルクレールが唯一1分18秒を切る1分17秒868を叩き出し、今季2度目のポールポジションを奪い取った。0.286秒差でフェルスタッペン、3番手にペレス、4番手ノリス。5番手ハミルトン、6番手ラッセル、7番手ダニエル・リカルド(マクラーレン)、8番手エステバン・(アルピーヌ)、自己ベストを更新できなかったサインツは9番手。事故でノータイムのアロンソが10番手だった。