もっと詳しく
【画像ギャラリー】SUVタイプのEVでも雪上走行は安全&楽しい? ソルテラ群サイ雪上試乗で解き明かす!!(50枚)画像ギャラリー

 スバル初の量産型EVとなるソルテラ。米国では2月8日から先行予約が開始されたのだが、販売予定台数がわずか3日間、つまり72時間で完売していたというのもその人気を裏付けている。

 そこで、今回はソルテラプロトタイプを群馬サイクルスポーツセンターの雪上にて国沢光宏氏が、実際にSUVタイプのEVでも雪上走行は楽しいのか、そして安全なのかについてレポートする。また、初代&現行型リーフとも比較してもらった。

本文/国沢光宏、写真/スバル、平野 学、奥隅圭之、日産、ベストカー編集部

■アップダウン多く、狭いコーナーが続く群馬サイクルスポーツセンターで試乗!

スバルソルテラ。トヨタとの共同開発で誕生したSUVタイプのBEV。ツイスティで狭い群馬サイクルスポーツセンターでの雪上走行はどうか?

 言うまでもなくトヨタbZ4Xとスバルソルテラは、両社が協業して開発した兄弟車となる。「2030年に世界で350万台の電気自動車を販売する」と発表したトヨタからすれば、切り込み隊長役の大切な量産電気自動車であり、燃費の悪いクルマばかりラインナップするスバルにとっても欧州や日本のCAFE(企業平均燃費)をクリアするため重要なECOカーといってよい。

 なのにトヨタはbZ4Xの試乗会にサーキットを選び、スバルときたら雪道です(笑)。広報に「なんで雪道なんですか?」と聞いたら「スバルのAWD性能は電気自動車でも高いことを知っていただければと思いまして」。

 確かにふつうの林道より圧倒的に狭くてアップダウンの多い群馬サイクルスポーツセンターでキッチリ走れたら、どんな雪道でも安心して走れるだろう。

こちらは姉妹車となるトヨタbZ4X。プロトタイプ試乗会はサーキットの袖ケ浦フォレストレースウェイで実施されたのはソルテラとは対照的だ

  ということで試乗といきたい。最初の1ラップは先導車付き。「たくさんの落とし穴があるコースのため危険な箇所をレクチャーします」。先導車、出来の悪いFF車でも問題ないような遅いペースで走り始める。

車間を開けて飛ばすのも大人げないため、同じペースで付いていくと当然ながら何も起きず1ラップ完全にムダとなりました。しかたないのでインカー撮影(運転しているシーン)。

ソルテラ雪上試乗中の国沢氏、インカー撮影時のひとコマ。その走りの楽しさに思わず笑みがこぼれているのが印象的だ

■前後同タイミングで駆動力をかける感じのソルテラ

 先導車なくなり自由に走っていいとのこと。じゃ、「雪道ひゃっほ~!」といきましょう!

ソルテラでアクセル全開! アクセルペダルを踏み込んでからパワーが出るまでに若干のラグを感じ、特にアクセルオフ時からの全開で顕著だったことを国沢氏は指摘している

 アクセル全開すると、トラクションはバッチリ! 前後に109psのモーターが付く218psの4WDとあり、前後の駆動配分は自由自在。FFベースのガソリン車だと不可能となる「後輪から先に駆動力をかける」ことだってできる。ソルテラ、前後同じくらいのタイミングで駆動力かけている感じ。

 少し気になったのは、元気よくアクセルを踏むとパワー出るまでタイムラグがあり、しかもパワー出始めると急に盛り上がること。特にアクセルオフから全開すると、タイムラグが気になります。

 bZ4Xの時も気になったので聞いてみたら、アクセルオフからオンにするとギアの遊び分の音が出るため、少しタイムラグを作っています。雪道ひゃっほ~すると、楽しさの足を引っ張ります。

■雪道ではリーフに制御面では軍配が上がる?

試乗したソルテラは前後に109psずつのモーターを搭載するAWD方式となる

  このあたり、2010年に発売された初代リーフのほうが上手。なんたって全日本ラリー用に仕立てて林道ひゃっほ~したけれど、制御系ノーマルのまんまでまったく気にならなかったですから。現在乗っている現行型リーフe+も電気自動車レースなどに何回も出た。スポーツドライビング上等です。

こちらは2019年1月に追加された現行型日産リーフe+。62kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。標準の40kWhから強化されており、国沢氏はこのレース仕様を所有している

 ということでアクセルワークだけふつうにジンワリ行うことにした。そしたら違和感ないですね。トヨタ/スバルにとって初めての電気自動車ということで、安全策を取ったそうな。

 章男社長になってからのトヨタ、ほかのメーカーがツマらなく見えちゃうくらい元気いっぱいながら、電気自動車に関してはムカシの超慎重なトヨタのまんまというイメージ。8年後に350万台の電気自動車を売ると宣言したトヨタの切り込み隊長として考えたら、少しばかり弱気か?

 そもそも4WDモデルの動力性能からして大人しい。日産ARIYAの0~100km/h加速5.1秒に対し、ソルテラ7.7秒。サーキットだと少しばかり物足りなかった。

日産のニューEV、ARIYA。ソルテラを凌駕する動力性能を発揮する。0-100km/h加速はソルテラの7.7秒に対し、ARIYAは5.1秒を計測しているという

■アクセルをジンワリ開けていくと……こりゃ楽しいですね!!

ソルテラのステアリングを握る国沢氏。アクセル開度さえ気を付けていれば望外のドライビングプレジャーを味わうことができるという

 しかし! 雪の群サイだと全開したらお腹一杯になりますね! スバル広報の選択、素晴らしいと感心しきり。アクセルさえジンワリ開けてやれば、存分に楽しい!

  1997年に出た初代プリウスの時から確信しているのだけれど、モーター駆動のクルマは雪道での駆動性能がエンジンよりずっと優れている。駆動トルクを穏やかに伝えられるからだ。

 しかもソルテラの場合、前後輪をモーターで駆動してます。走り出しを含め、アクセル踏んだ時の駆動性能はエンジン車より優れている。

 今回、モーグル路も設定してあったが、X-MODEを選ぶとエンジン車よりずっと滑らかに安定して走破できた。

X-MODEを選択すると、メーター内にはこのように表示されるようになっている

■雪道での安心感はスバル車共通の得意分野!

ソルテラもほかのスバル車同様、雪道でのハンドリングは思いのままに気持ちよく曲がってくれるとのこと。スバル独自のX-MODE搭載も効果を発揮しているそうだ

 雪道でのハンドリングはスバルの得意分野と言ってよかろう。前後の駆動力配分を的確に行っており、よ~く曲がってくれる。雪道を走った時の安心度、ハンドル切った時に曲がるかどうかで決まってくる。

 雪道でアンダーステアのクルマに乗ると怖い。曲がってくれ&さらにテールが滑らない特性が一番リラックスできます。ソルテラのハンドリング、安心のお手本みたい。

 以上、元気さで少しばかり物足りない部分もあった。パワフルなARIYAが出てくると比べられると思う。とはいえ雪道をふつうに走っているかぎり、ソルテラ素晴らしい!

 何より安心して滑りやすい道を走れる。bZ4Xとソルテラの開発にあたり、「ふつうに乗れるクルマを開発目標にした」というが、狙いどおりに仕上がっていると思う。買った人の満足度は高いんじゃなかろうか。

【画像ギャラリー】SUVタイプのEVでも雪上走行は安全&楽しい? ソルテラ群サイ雪上試乗で解き明かす!!(50枚)画像ギャラリー

投稿 スバル初のEV、ソルテラ雪上試乗!! SUVタイプのEVでも雪上走行は安全&楽しい?自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。