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<p>ニッケル急騰後の混乱で金属トレーダー動揺、LMEの暗黒時代を想起</p><p>ニッケル急騰後の混乱で金属トレーダー動揺、LMEの暗黒時代を想起</p><p>150年近くの間で数えるほどしか取引を中断せず、アルミニウムや亜鉛など工業用金属の国際価格を決める場所であり続けてきたロンドン金属取引所(LME)が8日、ニッケル取引を停止した。</p><p>ステンレス鋼や電気自動車(EV)バッテリーの製造に使われるニッケルの価格が2営業日で一時250%急騰。これを受けてLMEは8日午前8時15分に取引停止に踏み切った。市場参加者の多くにとってもっと衝撃的だったのは、LMEがその後、取引停止までの数時間の約定を全て取り消すと表明したことだ。 LMEは世界最大のニッケル生産会社である青山控股集団が積み上げたショートポジション(売り持ち)の手じまいなどでショートスクイーズ(踏み上げ)に見舞われた市場の秩序回復に動き出した格好だ。しかし、8日の市場取引を最初は認めておいて後で約定した取引を巻き戻したLMEの決定を批判するブローカーは多い。 ハイズ・ベイ・メタルズのディレクター、マイケル・マーロー氏は、「LMEを愛し、そこで日々のビジネスを行う人々全員が今日は強烈な打撃を受けた」と述べた。 LMEは手振りや大声で注文を出し合う「オープンアウトクライ(公開売買)方式」を今も採用する世界で数少ない取引所の1つ。LMEのブローカーにとって8日の事態は、同取引所の暗黒時代への逆行を想起させた。LMEが前回取引停止措置を講じたのは1985年の「スズ危機」で、国際的な生産者の連合が相場を支えきれなくなり崩壊した。 その危機は市場を一変させる悲惨な経験だった。LMEの伝承によると、歴史ある多くのブローカーが損失で廃業を余儀なくされた。 ニッケルが2営業日で250%の急騰を演じた後、LMEで売買が停止されたことについてブルームバーグのリン・トーマスソンがリポート。 出典:ブルームバーグ ニッケル市場の取引は停止されたままで、LMEは3月11日より前の取引再開を見込んでいないことを明らかにした。さらに、再開後も取引は欧州時間帯で開始するほか、1日当たり10%の値幅制限を設ける。   関連記事</p>