3列シートをもつクルマといえば、ファミリーカーとして定着したミニバンが代名詞だった。しかし最近では人気のSUVでも3列シートをレイアウトするモデルが増えている。
2列目は3列目シートに比べて、豪華なシートを採用するケースが多く、リラックスして移動することができる。
ここでは、「疲労ストレス計」を使用してミニバンに乗車した時の2列目シートと3列目シートの疲労について計測してみた。同時に、アダプティブクルーズコントロールを使用した場合とドライバー自身が運転した時の疲労の度合いの違いも検証する。
文、写真/萩原文博、取材協力/村田製作所
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XVエアロはセレナ最新の売れ筋グレード
今回、テスト車両としたのは日産セレナ。セレナの属する2Lミドルサイズミニバンは2022年1月にトヨタノア/ヴォクシーがフルモデルチェンジを実施。そしてホンダステップワゴンがティザー広告開始とホットなカテゴリーだ。
試乗したのは、2021年11月に登場した特別仕様車の「e-POWER XVエアロ」だ。セレナは5ナンバーの標準モデルに加えて、大きなフロントグリルが特徴でエアロパーツを装着し3ナンバーサイズとなるハイウェイスターという2つのモデル構成となっている。
この特別仕様車のe-POWER XVエアロは、標準モデルのXVをベースに、エアロパーツを装着し3ナンバー化したモデル。エアロパーツ装着に合わせて、外観の一部を変更しワイド感と低重心を強調しながらも、ハイウェイスターほど押し出し感はないものの、存在感のあるモデルとなっている。
専用装備として、外観は専用のフロントバンパー(ハロゲンフォグランプ標準装備)をはじめ、サイドシルプロテクター、リアエアロバンパー、LEDリアコンビネーションを標準装備しています。また、2LエンジンのSハイブリッド車の2WDは16インチアルミホイール、4WDとe-POWER 2WD車には専用の15インチアルミホイールを装着。
そして内装では抗菌加工を施した「XVエアロ」限定のシートを採用するとともに、内装色はシックなブラックで統一し、スポーティ感を演出しています。さらに、今回試乗したクルマには、XVエアロの発売にあわせて、セレナ専用のディーラーオプション装備の電子シェードが装着されていた。
この装備はセレナの全グレードに装着可能で、ワンタッチで後席のウインドウガラスを遮蔽できる業界初の後付けフィルムタイプの商品。車中泊などのシーンでも簡単にプライバシー空間をつくることが可能な便利な装備だ。
3列目シートは情報が遮断されることで眠く、だるくなりやすい
テストは神奈川から埼玉の約50kmで高速道路を中心に行った。往路は2列目シート。復路は3列目シートに乗車に疲労・ストレスを計測している。復路は順調だったが、往路は首都高で発生した3kmの事故渋滞に巻き込まれている。
計測した結果を見ると、往路、復路とも乗車前より乗車後のほうが左へ移動している。しかも渋滞あった、2列目よりも3列目のほうが移動幅は大きくなっているのだ。
これをデータ解析すると、2列目より3列目のほうがより眠く、だるくなっていることを表しているのだ。3列目シートというのは視界が遮られたい、情報が遮断されてしまうので、より眠い・だるいという方向に寄って行ってしまうのかもしれない。
往路の2列目は渋滞の影響で左へ移動してしまっているが、本来ならば、現状維持か左上のリラックスした状態になる可能性が高い。やはり3列目シートのあるミニバンやSUVでは2列目が最も快適だと思われる。逆に言えば、クルマの中で眠りたいというのであれば、3列目シートに乗って移動すれば良いとも言える。
渋滞がドライバーに与える影響は甚大
続いては、セレナXVエアロの装着されているプロパイロットを使用しての走行とドライバー自身が運転した場合の疲労のチェックだ。
本来ならば、プロパイロットを使用した往路のほうが疲労は少なくなるはずなのだが、大きく左方向へ振りれており、この自律神経活動量の低い状態では、“より疲れている”と考えられ、渋滞によるストレスというのは相当ダメージを与えるということが表れている。
運転前の位置はほぼ同じだが、自分で運転した後の方がプロパイロットを使用したときよりも交感神経の活動量が落ちていない。今度は渋滞のない状態での比較をしてみたいと思うが、道路が空いていたので、運転していても気持ち良かったということが原因ではないかと考えられる。
この結果によってロングドライブするときなどは、渋滞を考慮した時間やルート設定がより安全運転に繋がるということがこの結果から見えてくる。
今回測定に使用したのは、村田製作所の疲労ストレス計の「MF100」使用し、測定を行った。本来はグラフの青い部分に来るのが望ましいのだが、日頃の疲れとテストということで筆者の自律神経がフル回転してお疲れのようだ。
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