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『絞め殺しの樹』(河〓秋子 著)小学館 吹いている風が違う。地面を踏みしめる足が骨から冷え、喋(しゃべ)れば歯の根まで寒い。本作はそんな北海道の根室(ねむろ)そのものが風や大地ごとうごめきだすような、歴史と家族史とフィクションが溶けこんだ“生き物”のような大河長編だ。 産まれたから…