同じ日本のメーカーが作ったクルマでも、日本国内では販売されず海外を中心に売られているモデル……いわゆる「海外専売モデル」が存在する。このクルマたち、その売りたい国ごとに求められている仕様が異なるので、性能やデザインなど、その国に根付いたものになっていて非常に面白い。
アメリカ専売やヨーロッパ専売など数多いが、なかでも味わい深く、妙に魅力を感じさせるのが東南アジア向けのクルマ、人呼んで「アジアンカー」と呼ばれるモデル群だ。
そう言われてすぐに何のクルマか思いつく人は少ないと思うので、ここでアジアンカーを集結させてその魅力をドップリ味わっていただこうと思う!!
どこの仕様にもない、クセのあるデザインに夢中になること間違いなし!?
※本稿は2022年1月のものです
車両解説/永田恵一、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年2月10日号
■魅惑のアジアンカー展覧会【コンパクトカー編】
●トヨタ アギア(インドネシア向け)
ダイハツ主導で開発された新興国向けのコンパクトカーで、ダイハツ向けはアイラとなる。意外にも内外装のカスタマイズがメインながら、GRスポーツも設定されている。
●マルチ・スズキ アルト(インド/フィリピン向け)
軽自動車とほとんど同じサイズとなるボディに800ccの3気筒エンジンを搭載した、5人乗車も可能なコンパクトカー。ガソリン仕様に加え、CNG仕様も設定される。
●マルチ・スズキ ワゴンR(インド向け)
かつてのワゴンR+やワイドに近い、ワゴンRのボディとエンジンを拡大したような成り立ちのコンパクトカー。エンジンは1L 3気筒で、CNG仕様のみの設定だ。
■魅惑のアジアンカー展覧会【SUV編】
●ダイハツ テリオス(インドネシア向け)
7人乗り3列シートのコンパクトSUVという点はセニアと同じだが、こちらはエンジン縦置きのFRという硬派なキャラを持ち、トヨタにもラッシュの車名で供給されている。
●ダイハツ セニア(インドネシア向け)
ライズ&ロッキーをストレッチしたイメージとなる、7人乗り3列シートSUV。エンジンはそれぞれCVTと5速MTがある1.3Lと1.5LのNAで、精悍なスタイルを持つ。
●ダットサン クロス(インドネシア向け)
GO+をベースに最低地上高の拡大、ボディ下部の樹脂パーツ化などを施した7人乗り3列シートのクロスオーバー。最低地上高は200mmあるので、悪路への対応も申し分ない。
●三菱 パジェロスポーツ(インドネシア/フィリピンなど)
ランクルプラドをカジュアルにしたイメージとなる、ピックアップトラックベースの本格クロカンSUV。仕上がりも上々なので、三菱復活に向け日本導入を期待したい一台だ。
●日産 マグナイト(インド向け)
ルノーカイガーと兄弟車となる新興国向けSUV。液晶メーターなど、インテリアはよりモダンで、キャビンもコンパクトSUVとしてはユッタリとしたスペースを持つ。
●マルチ・スズキ S-PRESSO(インド向け)
エスプレッソは軽自動車を若干拡大したイメージのクロスオーバーで、特に原色系のボディカラーが似合う明るい雰囲気を持つ。エンジンはCNG仕様もある1L 3気筒ガソリンNAを搭載。
■まとめ
アジアンカー、いかがだっただろうか? ホイールは16インチくらいの小さいサイズ、腰高な外観だけど顔つきは妙にキリッとしている。そんな「ダサ・カッコいい」が高次元で融合しているのがアジアンカーの魅力なのだ。
なかには日産マグナイトのような、日本でもウケそうじゃない? と思える車種も。ぜひ日本発売も検討してほしい!
【番外コラム】東南アジア専用モデル、スバルはゼロ!!
パッと見でわかるとおりスバルは新興国向けモデルを出していない。会社規模ゆえの選択だが、日本と同じ車種を売り、安心や愉しさといった付加価値をつけることで他社と勝負している。
【画像ギャラリー】かなり魅力!! 海外専売モデルの中でも味わい深い東南アジア向け『アジアンカー』はどうでしょう!!(19枚)画像ギャラリー投稿 エキゾチックな魅力でクセになるクルマ大集合!! 海外専売「アジアンカー」大展覧会 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。