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<p>松下洸平を知るための10のこと。俳優業でしか感じられない奇跡を求めて | 【GINZA】東京発信の最新ファッション&カルチャー情報</p><p>【 #松下洸平 さんお誕生日おめでとうございます🍰♥️】今日読みたいのはこんな過去の記事。 〈松下洸平を知るための10のこと。俳優業でしか感じられない奇跡を求めて〉</p><p></p><p>松下洸平を知るための10のこと。 俳優業でしか感じられない奇跡を求めて 連続テレビ小説『スカーレット』で一躍注目を集めた松下洸平さん。もともとシンガーソングライターとしてデビューしており、音楽の才能のほか、高校時代には油絵を学ぶなどアートにも造詣が深い方です。そんな松下さんが次に挑むのは、2004年にケラリーノ・サンドロヴィッチさん作・演出で上演されて話題を呼んだ『カメレオンズ・リップ』。今回、東宝・キューブによる「KERA CROSS」シリーズの一環として、新たに河原雅彦さんが演出を手掛けます。稽古を前に松下さんの舞台にかける思いを伺いました。 Q1.今度出演される舞台『カメレオンズ・リップ』は、昨年『ベイジルタウンの女神』でご一緒されたケラリーノ・サンドロヴィッチさんの2004年の作品です。亡き姉にそっくりな使用人の女性と暮らす男と、彼の暮らす洋館に集まってくるさまざまな人々が、それぞれに嘘をつき、騙し合うクライムコメディです。この舞台の魅力をどこに感じていますか? 僕は2004年の舞台をDVDで拝見したんですが、混沌とした世界の渦の中に飲み込まれたような印象を受けました。そこが『カメレオンズ・リップ』の楽しさであり、見どころじゃないかと思います。観終わった後、ものすごくハッピーな気持ちになるでも、人生訓をもらえるでもないんです。でも、嘘つきたちの嘘が全部剥がれ落ちた先の、すっぱだかにされた生身の人間同士のぶつかり合い、ジタバタしている姿…人の愚かしさが、とても愛しく描かれている脚本だなと思います。 Q2.演じるのは主人公の、死んだ姉と瓜ふたつの使用人と暮らす男・ルーファスです。役の印象と、どのように演じようと思っているか教えてください。 初演ではおそらく、演じられていた堤真一さんに当て書きされたキャラクターなんです。ただ今回DVDを拝見して、あらためて僕は絶対に堤さんのようにはなれないと思いました。それはけっしてマイナスな意味ではなく。今回は、堤さんじゃなくて僕だし、生瀬(勝久)さんじゃなくて岡本健一さんで、イヌさん(犬山イヌコ)じゃなくて(ファーストサマー)ウイカちゃんで、全然違う。だから逆にどうなるかまったく想像がつかないんですよね。 僕は小心者なので、事前にどう演じようかつい考え過ぎてしまうタイプ。でも今回は、みなさんがどんな声や表情でセリフを言うのか見てからじゃないとわからない部分が多いので、稽古が始まってから役を作っていこうと思っているんです。ここまで稽古場に委ねてみようと思ったのは、初めてのことかもしれません。 Q3.『カメレオンズ・リップ』は嘘つきたちの物語です。松下さんは嘘をつくのは上手なほうですか? えっとですね…(苦笑しながら)すっごい下手で、顔に出ちゃうタイプです。以前は、カッコつけたりしてる時期もあったんですけど、仕事の仲間とか友人とか、長く付き合っているうちに、絶対に本性ってバレません?無駄な悪あがきだとようやく理解したので、最近は変に虚勢を張らず、自分のままでいようと思うようになりました。 Q4.俳優として、嘘を真実にしていくために意識していることはありますか? 演技については…外から見ればたしかに嘘かもしれないけれど、僕たちからすれば本当のことなんです。演じている間は、その人になり切るわけで、嘘を嘘と思わないというか、真実でなければいけない精神が大事というか。たまに、完全に自分のことを忘れる瞬間があるんです。カットがかかった時、演じた記憶がないのに、モニターを観るとたしかにやっている。それってきっと、相手の言葉を聞いて、自然と口にした言葉が台本通りだったみたいな…。奇跡みたいですけど、そういう瞬間を1回でも多く味わいたいと思ってやっています。 Q5.昨年から、生のエンターテインメントをおこなうことの難しさと、逆にその貴重さを実感させられる日々が続いています。松下さんは、舞台という場所をどのように捉えていますか? ちょうどそのタイミングで、テレビのお仕事が増えたんです。それであらためて考えさせられたのは、やっぱり演劇って贅沢な時間だなということ。テレビは、変な話…スマホをいじりながらでも観られるわけです。そこを舞台は、お客様の側から、お金を払って席を確保して、自分から足を運んで観に来てくださるじゃないですか。しかも1冊の台本を2〜3か月かけて、言葉の意味を探りながら作っていける。そのことが贅沢ですよね。 今は舞台に立つことはもちろん、無事千秋楽を迎えられることもすごく特別なことに思えますが、その気持ちは心の中に留めて、舞台上では普段と何も変わらずいつも通りにやることが大切だなと思っています。 Q6.連続テレビ小説『スカーレット』以降、映像作品への出演が続いています。映像作品で演じる際に意識することはありますか? 観て欲しいんです、ひとりでも多くの方に。これまでは作品に出られることが嬉しくて、爪痕を残そうって思ってきたけど、今はそこにプラスして…何だろう(すごく考えて)…記憶に残る芝居とは何なのかということを考えるようになりました。作品の中心にいる俳優に必要不可欠なものはどんなことか、とか。ちなみにまだ答えは出てないです(笑)。 Q7.誠実で真面目な役を演じられることが多いですが、松下さんはご自身をどんな人だと思っていますか? もうちょっと野性的だと思います。野性的って(笑)自分で言うのもなんですが…わりと思考から入っていくように見られがちなんですけれど、もっと直感的です。思い立ったらすぐやるし、楽しそうならやるし、いいと思ったものは買う。昨年末のドラマ『#リモラブ 〜普通の恋は邪道〜』で演じた青ちゃんみたいに、付き合うか付き合わないか1年悩むとか…そういうのはないです(笑)。 Q8.俳優の仕事に「ハマった」瞬間って、どんな時でした?演技の面白さはどんなところに感じていますか? さっき言ったみたいに、俳優業でしか感じられない奇跡っていうのがあって、そこですね。いろんなことがパチッとハマった瞬間、現場にいる全員が、「今のすごかったね」ってなるんです。勝手な思い込みの時もありますけど(笑)。 先輩のものすごい芝居を観た時も感じますよ。これ、じつは初めてしゃべるんですけど、初めてレギュラー出演した連ドラ『もう一度君に、プロポーズ』(2012年・TBS系)で、車の修理工を演じたんです。修理工場長役は、光石研さんで。僕ら若手修理工がわいわいしてるところに「お前ら、いつまでやってるんだ」って光石さんが入ってくるシーンがあったんですが、その時の顔が、何とも言えない優しい表情で…モニターで観ていて、めっちゃ感動しました。「何、今の?」って。些細なシーンなのに、いろんな気持ちが表現されていて…その時に、「お芝居続けたいな」って思ったんです。 Q9.美術、音楽、ダンスなど、幅広い芸術分野に才能をお持ちです。ゼロからイチを生み出す各芸術は、台本に基づき役を作っていく俳優の仕事とは違うスイッチが必要な気がします。創作活動の源になるものは何でしょう? んー…自分の中から湧き出てくるものをもう待つしかない。何かに感動した時、嬉しいことや悲しいことがあった時、「これを何かに残したい」と思うんです。日々の生活のなかにある出会いとか別れとか、そういうことを大事にしてはいます。 Q10.松下さんが、生きていく上で、大切にしていることは何ですか? すべてにおいて、なるべく自分が満足できることをする、です。自分がいいと思えるものを作るとか、いい仕事をするとか…。胸を張って「これでよし!」と思えるような選択をしていきたいです。難しいことですけどね。なるべくそうありたいと心がけています。 INFORMATION KERA CROSS 第三弾『カメレオンズ・リップ』 2021年</p>