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中高年男性の「孤独の美学」は“個独”と“孤毒”を混同? 「心身に悪影響が大きい」専門家が警鐘
東京都健康長寿医療センター研究所の世代別「孤独感」と「社会的孤立状況」に関する調査(15~79歳の男女約3万人に2020年8~9月、21年9~10月の2回)で目立つのは、働き盛りの40、50代の孤独感が20年から21年で大きく悪化していることだ。行動規制は徐々に緩和され、多少は出社や食事をできるようになり「社会的孤立」の数値は改善している。なぜ、孤独感は増したのか。
「中間管理職や管理職で、プロジェクトを仕切る人も多いこの年代は、オンラインやSNSを使って自分の気持ちを表出するのが不得手です。オンライン会議だと部下の近況を聞いたりなどの雑談も難しくなり、なかなかうまく繋がれない。どこか自分だけ取り残された感を持ってしまう面もあるでしょう」(同研究所研究副部長の村山洋史さん)
明星大学准教授で臨床心理士の藤井靖さんは、背景の一つに、男性と女性の「ある違い」を指摘する。
「そもそも自殺率も40~60代の男性が最も高く、同世代の女性の約2倍。男性は『目的的コミュニケーション』と言って何か目的があって人と会ったり話したりが多いのに対し、女性は目的なしにただお茶をしておしゃべりしたり、人と感情を共有することに価値を置く。そこで女性の方が孤独感を緩和できている面があると思います」
■「個独」と「孤毒」
高まる中高年男性の孤独感。一方でこの世代には、「孤独というのは素晴らしいものだ」という考えに引かれる人も多い。
コミュニケーション・ストラテジストの岡本純子さんは、18年に孤独問題に関する著書を出した際、中高年男性からの「孤独の何が悪い」「余計なお世話だ」という反発に驚いたという。
「確かに五木寛之さんの『孤独のすすめ』など、『孤独でいるのは素敵だぞ』という本はよく売れていて、ニーズは高いんです」
なぜ、中高年男性は「孤独の美学」に引かれるのか。岡本さんは英語で言う「Solitude」と「Loneliness」が混同されている点を指摘する。
「ソリチュードとは一人でも楽しい状態。言わば個人の個と独立の独で『個独』。これは本当の孤独ではないんです。孤独とはロンリネス、つまり耐えられないほど不安で寂しい状態で、孤児の孤に中毒の毒で『孤毒』。日本ではそれがごっちゃになり、何となく『一人で強く生きることが孤独である』と美学のように認識されている気がします」
ただ、人は繋がりたい欲求を誰もが本能的に持っている。これを「孤独も悪くないんだから」と抑え込んでしまうことは、心身にとって悪影響が大きい。そう岡本さんは警鐘を鳴らす。
「こんな指摘に危機感を共有して取材に来てくれるのは若い記者ばかり。中高年とのギャップは大きいです。若い世代が現実に抱えている、支えてくれる存在が誰もいない孤独。人として生きていく価値がないと感じるその孤独。そのつらさを、孤独の美学を言う方々は本当にわかっていますか?と言いたいです」
(編集部・小長光哲郎)
※AERA 2022年3月7日号より抜粋
【データ】年代別の「孤独感の高さ」はどう違う?調査結果はこちら
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引用元: ・【社会】中高年男性の「孤独の美学」は個独と孤毒を混同? 「心身に悪影響が大きい」専門家が警鐘 [七波羅探題★]
『素数』を数えて落ち着くんだ…
『素数』は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字……
わたしに勇気を与えてくれる
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