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もしかして最後の自社製EVになるのか?ホンダeに緊急試乗!!

 2022年3月4日、ホンダとソニーは新時代のモビリティとモビリティサービスの創造に向け、戦略的な提携に向けた協議・検討を進めることを合意したと発表した。

 今後は両社で合弁会社を設立し、高付加価値のEVを共同開発・販売し、モビリティ向けサービスの提供と併せて事業化していくという。

 新たな合弁会社からのEVの初期モデルの販売開始は2025年を想定。新会社はEVの企画、設計、開発、販売を行うものの、製造は初期モデルについてはホンダの製造工場を使用。また、モビリティ向けサービスプラットフォームに関してはソニーが開発し、新会社に提供するという。

 あと3年後にはホンダとソニーが設立した新会社が開発したEVが登場する予定なのだ。開発期間が短くなっているとはいえ、すでに共同開発するEVは販売に向けて動いているのは間違いない。

 昨今、ホンダはオデッセイをはじめ、クラリティPHEV、レジェンド、S660などモデルラインアップを縮小しているのはご存じのとおり、そうなると、ホンダが自社開発したBEV、ホンダeもいつまで販売するのかわからない。

 そこで、ホンダeに試乗しつつ、最新の中古車事情もチェックし、賢い買い方を考えてみる。

文、写真/萩原文博

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コミューターに相応しいボディサイズと取り回しの良さが魅力

もしかして最後の自社製EVになるのか?ホンダeに緊急試乗!!
ホンダeアドバンスの走行シーン

 ホンダのBEV、ホンダeは2020年8月に登場、10月から販売開始した。自ら「都市型コミューター」と呼んでいるホンダeのボディサイズは全長3,895mm×全幅1,750mm×全高1,510mmで全長はフィットより短く、全幅は広いワイド&ローのフォルムが特徴だ。

 外観デザインは円を多用し、フレンドリーさとともに新しい時代になじむシンプルでモダンなデザインを採用。また、毎日使う給電/充電ポートをボンネット中央にレイアウトし、リッドは触り心地がよく美しい全面ガラスを採用するなどこだわりは細部に及ぶ。

 外観で特徴的なのは、昼夜天候を問わず安心な視界を確保できるよう、当時世界初のサイドドアミラシステムを標準装備したこと。170万画素の高詳細カメラを採用し、カメラで捉えた映像はインストルメントパネル左右に配置した6インチモニターに映し出される。

 インテリアでは、世界初となる5つのスクリーンを水平配置するワイドビジョンインストルメントパネルが目を引く。センターには、12.3インチのスクリーンを2画面並べた「ワイドスクリーン Honda CONNECT ディスプレー」を配置。

 運転席や助手席でそれぞれ表示機能を選択したり、左右のアプリを入れかえたりなど自在な操作ができるだけでなく、スマートフォンとの接続によって音楽アプリやエンターテイメントアプリを表示も可能

 これら先進性を主張するデジタルを採用しながら、シンプルで心安らぐリビングのような空間を演出するために、パネルには自然な風合いのウッド調パネルを採用。スイッチ類を極限まで減らすことで優れた操作性を実現している。

 コンパクトなボディーながら、大人4人が快適に過ごせる空間を確保。シートにはアコードのフレームを使用し、ゆったりとした座り心地を実現している。

 ホンダeの最大の特徴はリアにモーターを搭載し、RRの駆動方式を採用したこと。グレードによって最高出力は異なるが、満充電時の走行可能距離はWLTCモードで259~283kmを実現している。

 また、取り回しのしやすさの指標となる最小回転半径は4.3mでフロントにパワートレインがない分、タイヤの切れ角が非常に大きく、非常に小回りが利く。

 ホンダeの安全装備は、11の機能がパッケージ化された、先進の安全運転支援システムHonda SENSINGを標準装備。さらに、街中の狭い駐車スペースでも安心して駐車できるよう、駐車支援システム「Honda パーキングパイロット」をホンダ車で初搭載している。

 また、建物に給電するV2H(Vehicle to Home)や、機器などの電源となるV2L(Vehicle to Load)に対応。日常利用だけでなく停電時には蓄電池として活躍する。

中古車ならば、300万円台で手に入る

もしかして最後の自社製EVになるのか?ホンダeに緊急試乗!!
リアハッチに貼られたエンブレム

 ホンダeの新車の車両本体価格は、ホンダeが451万円、eアドバンスが495万円。クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金は、今ならeが71万1000円、eアドバンスが55万円なので、諸費用込みの乗り出し価格は抑えることができる。

 上級グレードのホンダeアドバンスを街乗りの中心に運転してみると、非常に調教されたサラブレッドのように扱いやすく乗りやすいという印象が強い。これなら、ガソリン車から乗り換えても、違和感を感じることはないはず。

 その一方で、BEVの特徴ともいえる圧倒的な加速性能はやや控えめ。スポーツモードにすると、おっ!となるものの、PHEVをはじめ電動車が充実した現在では目を見張るものではない。

 コンパクトなボディが特徴のホンダeだが、試乗したeアドバンスの車両重量は1,540kg。同じBEVの日産リーフの40kwhのXグレードが1,510kgなので、決して軽いわけではない。

 しかも満充電時のWLTCモードの航続走行距離はリーフXが322kmに対して、eアドバンスは259km。価格はリーフXが382万5800円、クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金は78万6000円とホンダeよりも補助金の金額が大きく、価格差が拡大してしまうのだ。

 たしかに、ホンダeアドバンスのRRの駆動方式を活かした快活な走りとコーナリング性能やモダンなインテリアは魅力ではある。しかし航続走行距離などを考慮すると価格的には割高感が拭いきれない。しかも補助金を利用してしまうと、一定期間手放すことができなくなるからなおさらだ。

 新車に割高感を感じるのであれば、中古車はどうだろうか。そこでホンダeの中古車相場を調べてみた。現在、ホンダeの中古車は約24台流通していて、平均価格は約415.3万円。価格帯は約370万~約475万円となっている。

 3カ月前の2022年1月時点では、平均価格は約430万円、流通台数は約30台だったので、流通台数は減少しているものの、平均価格はわずか3カ月で15万円の値落ち幅を記録している。

 流通しているほとんどの中古車はディーラー系販売店が扱っていて、走行距離もまだ1万km以下という高品質車ばかり。ボディカラーも多彩で、チャージイエローに割安感が出ていて、300万円台で手に入れられる。

 現状、ホンダeの中古車の流通台数は少ないが、300万円台で中古車を手に入れるのが賢明と言えるだろう。もう少し安くなると、さらに魅力は高まる。正直300万円以下ならば欲しい1台だ。

(編集部注/なおホンダeの販売台数は、2021年累計で721台(月販平均約60台)。2022年1月は37台、2月は46台となっている。うう…少ない……。ホンダが掲げた年間目標台数は1000台だったが、それを2年目で早くも3割ほど下回っていることになる。ホンダ、この調子で2040年に販売ラインアップすべてをEVにする…と言っているが、大丈夫なのだろうか…)

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投稿 ホンダの将来を背負う初の量産EV「ホンダe」 賢い買い方は…中古??自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。