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Twitter(ツイッター)は、2020年10月に初めて明らかにしたコミュニティベースのファクトチェック構想「Birdwatch(バードウォッチ)」へのアクセスを拡大すると発表した。このサービスはこれまで、誤解を招く可能性のあるツイートにより多くの文脈を追加するためにメモを書いたり、評価したりすることに時間を投資した1万人の貢献者の小グループによってテストされてきた。しかし同社は、Birdwatchをより多くの貢献者に開放するのではなく、これらのメモをより多くの米国ユーザーが閲覧し、評価できるようにする。

米国時間3月3日から米国のTwitterユーザーの「少人数の無作為抽出された」グループが、ツイート上でBirdwatch のメモを直接見ることができ、メモを「役に立つ」「多少役に立つ」「まったく役に立たない」のいずれかで評価し、なぜそのように回答したのかを示して意見を提供できるようになると同社は述べた。このような発信はBirdwatchの改善に役立つ。

Birdwatchのもともとのアイデアは、Twitterにツイートを報告して検証してもらうことで、現在よりもはるかに速いペースでプラットフォーム上の誤情報に対抗するシステムを構築することだった。

2021年1月に正式にパイロットテストが始まった際にTwitterが説明したように、誤解を招く情報はオンラインですぐに広がってしまう。Birdwatchのメモはより迅速な方法でコンテキストを追加することが可能だ。さらに、Birdwatchのメモは、ユーザーがTwitterに報告して削除してもらうような問題のあるツイートで、実際にはルールを破っていないものについての懸念に対処するのに役立つ可能性がある。また、事実として正しいかもしれないが、問題の全体像を明らかにするための文脈を欠いているツイートの質を高めることができるかもしれない。

画像クレジット:Twitter

Twitterの発表のタイミングは、ワシントンポストの報道でBirdwatchサービスが初めて登場してから1年以上経っても、より広く展開できなかったと批判されてわずか数日後のことだ。

試験運用を開始して以来、Twitterはクリエイターツール(Super Follows)、eコマース機能、パワーユーザー向けのサブスクリプション商品(Twitter Blue)、ニュースレター(Revue)、NFTアバター、アプリ内投げ銭など、収益を伸ばすためのあらゆる種類の他のプロジェクトにリソースをさいてきた。

しかし、ロシア・ウクライナ戦争が激化する中、ソーシャルメディアにおける誤情報やプロパガンダの拡散により、より優れた(少なくともより迅速な)ファクトチェックがこれまで以上に求められている。Twitterは、ワシントンポスト紙へのコメントで、Birdwatchの試験運用を「非常に近いうちに」拡大すると述べている。つまり、今日の発表のタイミングは偶然ではない。

TwitterはBirdwatchの試験運用期間中に、メモ投稿者を嫌がらせから守るために自動生成されたエイリアスを提供したり、自分のメモが役に立つと評価されたり有り難られたりするとそれを知らせる通知を提供するなど、Birdwatchの改良を行った。ツイート上に表示されるには、まず十分な数のBirdwatch貢献者が異なる視点から評価を行う必要があると同社は述べている。また、Twitterは貢献者に出典を記載し、説明を明確にするよう促すアプリ内プロンプトリマインダーを追加し、Birdwatch貢献者がより多くのフィードバックを必要とするメモを評価するための「Needs Your Help」タブを導入した。

画像クレジット:Twitter

Twitterは2021年夏、APおよびロイターと協力して、プラットフォーム上の誤情報と戦うことを発表したが、これにはBirdwatchの投稿の評価への協力も含まれていた。

Twitterの調査によると、誤解を招く可能性のあるツイートに関するメモを見た後、その内容に同意する人の割合は、メモを見なかった人に比べて20%から40%少ないことがわかった。

Birdwatchメモは、3月3日からごく少数のユーザーに見えるようになるかもしれないが、一般公開にはほど遠い状態だ。まだ「試験的」なものだと考えられている。

また、Birdwatchの投稿者は必ずしも訓練を受けたファクトチェッカーやジャーナリスト、ある種の専門家ではないことから、コミュニティによるファクトチェックが誤情報を扱うのに正しいアプローチなのかどうかという疑問も引き続きある(さらに、ある分野の専門家であっても、別の分野の誤情報を適切に評価できるとは限らない)。その代わり、認証された電話番号を持ち、米国を拠点とする信頼できる通信会社を使っていて、最近Twitter違反をしていないことが条件とされている。

そして、あるファクトチェックが他のものと比べてどれだけ重要か、また、隠されたメモが真実を明るみに出すための正しい方法であるかどうかという問題がある。例えば、ミームアカウントが投稿したGIFでマーク・ハミルと確認された人物が、おそらく才能あるコスプレイヤーであることを知るのは良いことだが、検証済みの元スウェーデン首相や外交官がウクライナ・ロシア戦争での誤解を招く写真をツイートするとなると話は違ってくる。

Twitterは、Birdwatchメモを見て評価できるようになる米国ユーザーの数、あるいはTwitterの米国ユーザーベースの何パーセントに相当するかについての言及を避けた。

画像クレジット:Twitter

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi