Ryzen Threadripper PRO 5000シリーズ「Chagall」の仕様がリークしました。
AMDがプレス向けに説明したところによると、今回、Threadripperは自作PC市場向けには出さずに、システムインテグレーター向けのWorkstationモデルであるWXのみを販売することになったようだ。
LenovoのThinkStation P620に搭載され、その他も順次、続く予定です。
AMDは、64コアと128スレッドの5995WXを筆頭に、実に5つのThreadripper PRO 5000モデルがあることを確認した。
興味深いのは、すべてのSKUのブーストクロックが4.5GHzと同じで、ベースクロックが異なることだ。
シリーズに48コアの製品はないが、ベースクロックが3.6GHzの32コア5975WXがリリースされる。
そのため、この製品はZen2アーキテクチャを採用した前モデルと比較して、ベースが100MHz、ブーストが300MHz向上していることになる。
AMD Ryzen Threadripper 5965WXは、24コア、48スレッドを提供する予定です。この製品のクロックはベース状態、ブースト状態でそれぞれ3.8/4.5GHzとなる。
さらに、AMDは5955WXと5945WXと呼ばれる16コアと12コアの製品を発表する。ベースクロックが4.0GHzを超えるのは、この2つのみとなる。
すべてのSKUは、デフォルトで280W TDPを搭載しており、これはThreadripper 3000シリーズと同じ消費電力である。
対応マザーボードについては言及されていないが、BIOSアップデートにより、既存のWRX80マザーボードと互換性があるものと思われる。
AMD Ryzen Threadripperシリーズ
コア数/ スレッド数 |
ベース クロック |
ターボ クロック |
TDP | |
AMD Ryzen Threadripper PRO 5000 “Chagall” Zen3 [128 PCIe 4.0 Lanes, 8x DDR4 Memory] | ||||
TR PRO 5995WX |
64C/128T | 2.7 GHz | 4.5 GHz | 280W |
TR PRO 5975WX |
32C/64T | 3.6 GHz | 4.5 GHz | 280W |
TR PRO 5965WX |
24C/48T | 3.8 GHz | 4.5 GHz | 280W |
TR PRO 5955WX |
16C/32T | 4.0 GHz | 4.5 GHz | 280W |
TR PRO 5945WX |
12C/24T | 4.1 GHz | 4.5 GHz | 280W |
AMD Ryzen Threadripper PRO 3000 “Castle Peak” Zen2 [128 PCIe 4.0 Lanes, 8x DDR4 Memory] | ||||
TR PRO 3995WX |
64C/128T | 2.7 GHz | 4.2 GHz | 280W |
TR PRO 3975WX |
32C/64T | 3.5 GHz | 4.2 GHz | 280W |
TR PRO 3955WX |
16C/32T | 3.9 GHz | 4.3 GHz | 280W |
TR PRO 3945WX |
12C/24T | 4.0 GHz | 4.3 GHz | 280W |
ソース:Videocradz.com – AMD Ryzen Threadripper PRO 5000WX “Chagall” specifications leaked
解説:
AMDは自作PC市場に見切りをつけたということなのか?
次期Threaripperである5000シリーズ通称Chagallは現在のところ、ワークステーション向けのWXのみ準備されているようで、Lenovoなどのシステムインテグレーター向けの製品になるようです。
自作市場向けの製品が準備されているかどうか、自作市場にWXが流れてくるのかどうかに関しても詳細は不明となっているようです。
事実上のノーマルThreadripperの切り捨てとも取れる方針で、高額な製品だけに発売が明言されていないのは問題だと思います。
Threadripperを現に買ってしまった人たちからすると、かなりの衝撃だと思います。
AMDは昨年の末あたりからモバイルとサーバーを偏重し、デスクトップ市場にはあまり力を入れなくなりましたが、まさか超高額な製品であるThreadripperを切り捨てとも取れる方針を打ち出すとは驚きを隠せません。
ワークステーション向けのプラットフォームであるWRX80マザーボードはそれほど売れているとは思えず、今Threadripperのユーザーは気が気ではないでしょう。
今後どうなるのかAMDは早めに方針をアナウンスすべきだと思います。
思い返すと現在までのThreadripperのリークは全てワークステーションモデルになっており、確かに今回のような形になる片りんはありましたが、さすがに、こういう展開になるとは全く予想だにしませんでした。
ただ、一つだけ言えることは、既にRaphaelの発売時期が明言されていることから言っても、高額なThreadripper5000シリーズを今後、PROの後に発売したとしても、魅力はあまりないだろうということです。
そのため、販売力があるシステムインテグレーター向けの製品のみとして出すのであればこの方針はいろいろと腑に落ちます。
Threadripper ProシリーズのCPUソケットはSocket sWRX8、対応チップセットはAMD WRX80に変更され、Ryzen Threadripper 3000シリーズとの互換性ありません。
次にThreadripperがあるとすれば、Zen4のものだと思いますが、Threadripper5000シリーズが出なければ、3000シリーズを持っていた人たちはもう買わないのではないかと思います。
事実上の一世代切り捨てですからね。
AMDは一体どうしてしまったのか?
当初は去年の8月に発売される予定でしたが、一向に姿を現さず、予定が大幅に遅れてしまった挙句、結局出さないかもしれないというのはかなりの衝撃です。
これではついてくるユーザーはもういなくなるのではないか?
そんな風にも思います。
夢から覚めたら厳しい現実のみが残っていた。そんな印象です。
ノーマルThreadripperが出ないのであればとても残念です。
何とか発売してほしいところ。
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