Intel Celeron J4115 は、Amazonや楽天などのWebサイトで販売される、4万台の格安ノートPCに搭載されているCPUです。
果たしてコストパフォーマンスは高いのか、あるいは割高なのか、購入を検討されている方は是非ご一読下さい。
Intel Celeron J4115 とは
Celeron J4115 は、2017年の冬に発売された省電力CPUで、第8世代のCore-i シリーズと同時期に登場しました。
CPUのプロセスルールは第8世代と同じ14nm が採用され、またグラフィック機能も第11世代の「INTEL UHD Graphics 600」を搭載しています。
Celeron J4115 の基本スペックは次の通りです。
CPU | コア数:4 スレッド数:4 |
基本クロック | 1.8GHz~2.50GHz |
グラフィック | インテル® プロセッサー・ファミリー用インテル® Core™ UHD グラフィックス 600 |
TDP | 10W |
Celeron J4115 は 第6世代のINTEL Core-i5 並み
ベンチマークテストで計測したCPUとGPUのスコアを比較すると、 Celeron J4115 の CPU性能は第6世代のCore-i5 と同等であり、グラフィック性能は 第3世代のCore-i5と同等です。
最新のCPUに比べれば性能は高くはありませんが、ワードやエクセルなどの文書作成、動画鑑賞などの用途には十分な性能を持っています。
以下の用途であれば、ストレス無く使えるでしょう。
- ワード、エクセル、パワーポイントなどの文書作成
- メールの送受信
- ウェブサイトの閲覧
- 人事や会計ソフトなどの事務処理アプリの利用程度
- PythonやRuby,PHP、C#やJavaなどのプログラミングの学習
- 趣味や仕事で使うちょっとしたプログラムの開発
- Zoomによるテレビ会議
多少重い時があるかもしれませんが、下記の用途も利用可能です。
- 十数分程度のフルハイビジョン画質の簡単な動画編集(カット、結合など)
- デジタル一眼レフカメラで撮影した生データの現像
- フォトレタッチ
ただし、PCの性能(サクサク感)は、メモリ容量や内蔵ストレージ性能(容量、速度)に大きく左右されますので、このPCを搭載しているノートPCを検討されている方は、その点もご留意ください。
このCPUが搭載されているノートPCの傾向
Celeron J4115 が搭載されているノートPCは4万円台という格安製品で、Amazonや楽天などのWebサイトで購入可能です。
2022年3月現在において、Amazonで販売されているノートPCの傾向をまとめてみました。
補足 項目 | スペック | 補足 |
---|---|---|
画面サイズ | 14~15.6インチ | |
解像度 | FullHD(1920×1080) | 殆どの製品がIPS液晶を搭載 |
重量 | 1.2kg~1.7kg | |
メモリ | 8GB | |
ストレージ | SSD128GB~SSD256GB | |
DVDドライブ | 搭載無し | |
Office | 無し 又はKing Soft Office 又はMicrosoft Office |
Office搭載と書かれていても、7日間だけの 評価版の可能性有り |
OS | Chrome OS 、Windows10 Home/Pro Windows 11 HOme |
約9割がWindows 10/11 2台のみ Chrome OS |
駆動時間 | 4時間~8時間 | |
価格 | 4万円台 |
一般的な格安パソコンよりも性能が高いCPUを搭載しており、メモリ8GB、ストレージ256GBが標準的なスペックになっています。
会社か自宅でワードやエクセルなどの文書作成をメインとするライトユーザー向けといったところです。
4万円台でそこそこ使えるノートPCをすぐに入手したいという方にとっては良い選択かもしれません。
ただ、クーポンやタイムセールの対象製品として数千円~1万円程度の割引がされている事が多い為、時間的余裕があれば、安くなるタイミングを見計らって購入した方がお得感が増します。
あと1万円追加投資すれば、型落ちのCore-i3 ノートPCが選択肢に入ってきますので、CPU性能を重視される方は、安さに釣られて安易に飛びつかない方がよさそうです。
ベンチマークで性能を比較
結論を先に描きましたが、ここからはその理由を簡単に説明しておきます。
下記一覧は、 Celeron J4115 のベンチーマーク性能(CPU:PassMark、GPU:FireStrike) を、Core-i5の世代別性能と比較したものになります。
CPU名称 | PassMark | GPU | FireStrike | コア数 | スレッド数 | TDP | 定格クロック | 最大クロック |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i5 8350U | 6507 | Intel UHD Graphics 620 | 990 | 4 | 8 | 15W | 1.7GHz | 3.6GHz |
Core i5 7200U | 3359 | Intel HD Graphics 620 | 808 | 2 | 4 | 15W | 2.5GHz | 3.1GHz |
Core i5 6300U | 3277 | Intel HD Graphics 520 | 707 | 2 | 4 | 15W | 2.4GHz | 3.0GHz |
Celeron J4115 | 2700 | Intel UHD Graphics 600 | 391 | 4 | 4 | 10W | 1.80 GHz | 2.50 GHz |
Core i5 5200U | 2560 | Intel HD Graphics 5500 | 594 | 2 | 4 | 15W | 2.2GHz | 2.7GHz |
Core i5 4200U | 2191 | Intel HD Graphics 4400 | 492 | 2 | 4 | 15W | 1.6GHz | 2.6GHz |
Core i5 3317U | 1949 | Intel HD Graphics 4000 | 411 | 2 | 4 | 17W | 1.7GHz | 2.6GHz |
Core i5 2410M | 1929 | Intel HD Graphics 3000 | 198 | 2 | 4 | 35W | 2.3GHz | 2.9GHz |
Celeron J4115 は2017年に秋に発売された廉価版CPUであり、第6世代のCore-i5と同じ性能を持っています。
Excelやワードなどのオフィス製品、ネットサーフィン、YouTubeやNetFlixなどの動画鑑賞などの用途であれば、ストレスなく動作するでしょう。
グラフィック性能は「Intel UHD Graphics 600」を採用しており、決して性能が高いものではありません。
このCPUを搭載したノートPCで3Dゲームを楽しむことは諦めて、一般的な事務作業やYouTube、NetFlexなどの動画鑑賞用と割り切った方が良さそうです。
まとめ
今回は Celeron J4115 の性能について、ネットで公表されているベンチーマークをもとに、Core-i5の中でどの世代に匹敵するかについて検証しました。
このCPUはAmazonや楽天などのネット通販で発売される4万円台の格安ノートPCに採用されています。
格安の中でも比較的価格が高い製品であるだけに、メモリ8GB、SSD 256GBを搭載している製品が大半です。
最近のノートPCの多くはメモリやストレージの交換が出来ないケースが多いので、購入する際はメモリとSSDの容量を是非チェックしておいて下さい。
この記事が、皆さんのPC購入の参考になれば幸いです。