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(論創社・2200円) 見るからにわびしげな裸電球の電信柱、ベンチがポツンと一つ、一本の枯れ木。どこにでもある景色だが、これが別役実が好んで使った装置であった。この装置さえ見れば誰でも別役実の世界を思った。 しかし日本に不条理劇の独特な世界を開いた劇作家を理解するのは簡単ではない。この…