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「戦争が廊下の奥に立つてゐた」。昭和初期に活躍した俳人、渡辺白泉の句である。重苦しい影が、知らぬ間に日常へ忍び込むさまを詠んだ。こんな作品も残る。「玉音を理解せし者前に出よ」。旧軍の施設で終戦を告げる昭和天皇のラジオ放送を聞いている姿だろう。▼かつて軍では兵らに「列から一歩前へ」…