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ロシアのウクライナ侵攻を受け、Spotify(スポティファイ)はモスクワの事務所を無期限で閉鎖したと、Varietyが報じた。ロシアの新法により、視聴者数が50万人を超える外国のテック企業は2022年までにロシア国内に事務所を設置することが義務付けられたため、ストリーミングプラットフォームのSpotifyは2月に駐在員事務所をモスクワに開設したばかりだった。しかし、この法律はかなり新しいため、影響を受ける企業のほとんど(Meta、Twitter、Telegramなどを含む)はまだ遵守していない。今のところ、Spotify、TikTok、Appleがロシアに事務所を構えている

ロシアのユーザーは、これまで通りSpotifyにアクセスすることができる。Spotifyの広報担当者がVarietyに出した声明には「グローバルな情報の流れを可能にするために、ロシアでの当社サービスの維持に努めることが極めて重要だと考えています」とある。

Spotifyはまた、RTとSputnik Newsを自社プラットフォームから排除する予定だ。いずれも世界中に多くの視聴者を持つ、ロシア政府が資金を提供している報道機関だ。批評家によると、RTとSputnik Newsはロシア政府とその外交政策の利益のためのプロパガンダのツールとして機能しているという。カナダとEUはこのほど、ロシアの国営放送を禁止にし、英国でも両報道機関は調査を受けている。

しかし、米国ではまだ、そうしたロシア政府の支援を受けた報道機関の報道をとても簡単に視聴できる。全米放送事業者協会は米国の放送事業者に対し、RT、RT America、Sputnik Newsの放映を停止するよう求めている。今のところ、DirectTVとRokuだけが求めに応じている。また、AppleとGoogleは、これらの報道機関のアプリをアプリストアから削除した。

しかし、Meta、TikTok、YouTubeを含む他のほとんどのプラットフォームは、EUでは全面的に禁止しているものの、米国ではロシア政府が支援するチャンネルを降格またはランクダウンしているに過ぎない。Metaは、Facebook MainとInstagramのフィードでRTとSputnik Newsのチャンネルを推薦するのをやめたが、ユーザーは直接そのページに行くことができる。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のAmrita KhalidはEngadgetの寄稿者。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Amrita Khalid、翻訳:Nariko Mizoguchi