NetflixのF1ドキュメンタリー番組『Drive to Survive(邦題:栄光のグランプリ)』が偽のドラマを作り出しているとして、一部のドライバーが不満の声を上げている。F1はこれに対処するため、Netflixと話し合いを持つ予定だという。
高い人気を誇るこのシリーズは、グラプリシリーズの舞台裏を描き、F1のスリルと興奮に迫るもので、アメリカにおけるF1の知名度を上げ、新しいファンの獲得に寄与している。
しかしながら、F1ドライバーの一部は、このシリーズへの不満を示している。現世界チャンピオンのマックス・フェルスタッペンは、最新のシーズン4への協力を拒否しており、『Drive to Survive』の演出は騒ぎを誇張したり、「ライバル関係を作り上げている」と主張している。
さらに最近では、マクラーレンのランド・ノリスも『Drive to Survive』の不正確さを指摘している。ノリスとチームメイトのダニエル・リカルドとのバトルの激しさを表現するために、他のレースの無線の音声が使用されているのだという。
F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、『Drive to Survive』がF1にもたらす恩恵を大いに評価しているが、ドライバーたちが苦情を申し立てていることも承知している。
「Netflixのプロジェクトが、非常に素晴らしい影響を及ぼしていることに疑いの余地はない」とドメニカリは、バーレーンGPの週末に語った。
「新たなファンの関心を喚起するために、ある意味ではストーリーをドラマ化することに重点を置いたトーンが使われた」
「これはチャンスではあるが、正しく理解される必要があると考えている。週末のチームとのミーティングでも、このことが話し合われた」
ドメニカリは、このシリーズで間違った描かれ方をされていると感じているドライバーとの「対話」が必要だと語る。
「ドライバーが、自分が正しい方法で描かれていないと感じるからといって出演を拒否するのは建設的ではない」とドメニカリは語った。
「したがって、彼が正しいと感じる形で出演できる方法を理解するための対話が必要だ」
「我々はNetflixとも話し合いをする。なぜならストーリーが現実からかけ離れないことが必要だからだ。そうでなければ、適切なものではなくなってしまう」
「これは、ドライバーとともに対処していくべきテーマだ。このプロジェクトは並外れた牽引力を生み出してきた。今後も魅力を発揮する形で表現していく必要がある。しかし、そうするなかで我々が日々献身しているこのスポーツの、イメージや意味を歪めることがあってはならないのだ」