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 4月3日、MotoGP第3戦アルゼンチンGPの決勝レースがテルマス・デ・リオ・オンドで行われ、MotoGPクラスはアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)が自身初優勝を飾った。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は12位でレースを終えている。

 土曜日に行われた予選後、ジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)が3グリッド降格のペナルティを受けたことで一部のグリッドが変更された。これは、Q2セッション中、7ミラーのコーナー前でのスロー走行がほかのライダー、つまりファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)の走行を妨害したと見なされたものである。ミラーは14番手にグリッドを下げ、11番手がブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が11番手、12番手がエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)、13番手がフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)となった。

 迎えた25周の決勝レースでホールショットを奪ったのは、2番グリッドスタートのホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)だった。アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)は後退するも、しかし2番手に留まり、3番手はルカ・マリーニ(ムーニーVR46レーシング・チーム)、4番手にはポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)、5番手にはアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)が続く。さらに、10番グリッドスタートの中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)もまた、好スタートを切って1周目に6番手に浮上した。中上はその後、3周目に後退して10番手にポジションを落としている。

 序盤はトップを走るマルティン、それから2番手のアレイシ・エスパルガロがやや後方を引き離しつつあった。その後方では、ポル・エスパルガロが3番手に浮上し、4番手にリンス、5番手にマリーニ、6番手にジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)が続く。

 一方、6番グリッドスタートだったファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は序盤に後退しており、5周目には13番手を走行。苦しいレースとなる。

 7周目、リンスがポル・エスパルガロをオーバーテイクし、3番手に浮上。トップのマルティン、2番手のアレイシ・エスパルガロと3番手のリンスとの間には2秒以上のギャップがあるが、このときリンスのペースはトップ2とほぼ同じという状況だった。4番手に後退したポル・エスパルガロもリンスに引き離されずついていく。

 レース中盤には、一時、アレイシ・エスパルガロがマルティンから遅れるも、ペースを取り戻して再びその差を詰めていった。3番手のリンスはアレイシ・エスパルガロから約1.5秒後方で、4番手のポル・エスパルガロもリンスから少し離れてほぼ単独走行となっていた。

 4番手をキープしていたポル・エスパルガロだが、15周目の2コーナーで転倒を喫する。ポル・エスパルガロはここでリタイアとなった。このポル・エスパルガロの転倒により、ミルが4番手に浮上している。

 残り10周、マルティンとアレイシ・エスパルガロとの差は0.2秒ほどになった。今大会、タイヤ選択は全ライダーがフロントにハードタイヤ、リヤにソフトタイヤというもの。つまり、マルティンとアレイシ・エスパルガロとの間にもタイヤ選択の違いはない。

 残り6周にはアレイシ・エスパルガロが5コーナーのブレーキングでマルティンに挑むも、ロングストレートからのブレーキングで止まり切れず、マルティンはトップを守る格好となった。しかしその翌周、アレイシ・エスパルガロが5コーナーのブレーキングで再びマルティンにオーバーテイクを仕掛け、クロスラインでもラインを締め、ついにマルティンをパスしてトップに立った。マルティンはアレイシ・エスパルガロに食らいつくも、じりじりと、その差は開いていった。

 アレイシ・エスパルガロはそのまま、トップでチェッカーを受けた。アレイシ・エスパルガロにとって世界選手権での初優勝であり、これはアプリリアにとっても初の勝利だった。なお、このレースはアレイシ・エスパルガロにとって世界選手権200戦目のレース。記念すべきレースを、初優勝という最高の形で飾った。

 2位はマルティン。開幕戦、第2戦と転倒リタイアが続いていたが、アルゼンチンGPで今季初の表彰台を獲得している。3位はリンスで、最終的にはマルティンに約0.5秒まで迫った。

 4位はミル、5位には13番グリッドスタートだったフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)、6位には11番グリッドスタートのブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が入った。

 クアルタラロは中盤以降、少しずつポジションを回復して8位で、フロントロウスタートだったマリーニは11位。1周目に6番手に浮上した中上は、12位でレースを終えている。