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あの『かずえシーマ』がレストア完了!! 令和4年に昭和63年の新車あらわる

 往年の大映ドラマや、近年では日曜朝の戦隊シリーズでもお馴染みの女優、伊藤かずえさん。彼女の愛車が30年以上も乗り続ける日産初代シーマだというのはクルマ好きには知られた話だ。

 その伊藤さんがSNSでシーマの定期点検時の様子を投稿したところ、伊藤さんのシーマ愛に賛辞を送る声や日産にレストアを願う声などが溢れ、大きな盛り上がりを見せた。

 そこで日産の有志たちが手を挙げ、伊藤さんの『シーマ愛』『日産愛』に応えるべく、シーマレストア計画が始動したというわけだ。

 およそ8カ月をかけたレストア作業を終え、完成お披露目会での伊藤さん&生まれ変わったシーマの模様をお届け!

※本稿は2022年1月のものです
文/ベストカー編集部、写真/NISSAN
初出:『ベストカー』2022年2月10日号

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■SNSで話題となったあの人のあのクルマが生まれ変わった

シーマ「レストア完成お披露目会」で、愛車への愛を語る伊藤かずえさん(右)。左は日産マーケティング本部・松村眞衣子さん

 この記事の主役はひとりと一台。女優の伊藤かずえさんと日産初代シーマだ。『シーマ現象』を巻き起こしたあのクルマで、同じ個体を伊藤さんが30年以上も乗り続けていることをご存知の方は多いだろう。

 グレードはタイプIIリミテッドで、V6、3LのVG30DET型ターボエンジン(最高出力255ps)や、先進の電子制御エアサスペンションを持つ最上級グレード。

 シーマのスタイル、乗り味などを気に入りすぎて、30年以上も彼女が乗り続けている愛車が上の写真。えっ……! それほどの年月が経ったと思えないほどの美しさ。それもそのはず、レストアしたクルマだから!

 しかも、ボディは磨き上げられ、室内やシートもツルンとした肌触り、エンジンも快調に回り、音もいい。そう、まさに新車同様の生まれ変わり。

■日産有志が立ち上がったきっかけもSNSだった

「スポーツカーにも興味ありましたけど、それ以上にシーマが気に入り、買いました。約30年前の話ですね。今、MT車を……運転する自信はないですね(笑)」(伊藤さん)

 その「レストア完成お披露目会」が2021年12月7日、東京・銀座で開催され、レストア後の愛車を目にした瞬間、伊藤さんは「あまりにもピカピカで……言葉になりません」と涙する一幕もあった。

 そもそものきっかけは2020年10月、伊藤さんが愛車シーマの1年点検を実施する際にSNSへ投稿したこと。それを見た一般の投稿者から「日産、レストアを検討して!」といった声があがったことという。

 それを受け、日産社内でも何かできないか、と部署を超えた有志のチームが立ち上がり、伊藤さんへの「日産からの感謝の想い」をレストアというカタチで表したいと作業がスタートした、というわけだ。

 オーテックジャパンへ昨年4月下旬に預け、約8カ月後にレストアが完了。ご覧のようなお披露目の日を迎えたという流れだ。

 作業を担当したオーテックジャパン・製造部の松木良晃さんは「最も大変だったことは経年劣化がひどい部品もあり、取り外すのを慎重にしつつ作業にあたったことですね。またエンジンの積み込みも非常に気を使いました。

シート表皮は、当時の美しい状態で残っているものはないので、サプライヤーさんに協力してもらい、再現するように作ってもらいました」と。

 大変さがしみじみ伝わってくる語り口だった。

■「レストア中はシーマが夢に出てくるほど」

レストアの手は隅々にまで入れられ、新車同然となったシーマ。その細かな心配りにしっかり気づいて歓声をあげる伊藤さん

 その松木さんが話している最中も、時折ジッと愛車シーマに視線を送る伊藤さん。「レストア中はシーマが夢に出てくるほど……。愛車と離れるのが寂しいことを実感しました。想像以上にきれいになっていて、びっくりしましたね」とやや興奮気味。

 また、プレスからの質問「伊藤さん、2022年のやっちゃえ! は、何でしょうか?」に対しては、「ご先祖様のお墓が福島県にあるので、このシーマで行きたいです。

大好きな京都にもシーマで行こうと思っています。ですので、『2022年は長距離ドライブ、行っちゃえシーマ』です!」と高らかに宣言した伊藤さん。

 新車に生まれ変わった愛車にこの先も乗り続ける伊藤さんを、ベストカーは追い続けます!

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