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【編集部より】小室眞子さん、圭さんの結婚騒動の余波で、悠仁さまの高校進学までバッシング対象にされるなど、いまの皇室は前途多難な状況です。ポストコロナ時代の皇室への憂いをどう打開するのか。八幡和郎さんの連載3回目は、悠仁さまの教育とお妃探しについて取り上げます。

宮内庁サイト

筑波大附属高で確かなお妃選びの準備

今後、佳子さま愛子さまのご結婚相手さがし、悠仁さまのお妃選びが始まるが、わたしはかねがね、各種のパーティーなどで集団で多くの異性も含めた大学以外の異性との交流があり、そのネットワークのなかで探されるべきだと提案している。

いわゆる見合い方式は、考え得る候補者を週刊誌などが先回りでリストアップして報道するので、最初の出会いのセットがおそろしく困難であることは、現在の陛下のお妃選びのときに関係者がもっとも嘆いていたことだ。

悠仁さまのお妃候補はいまもう中学生か高校生だ。晩婚化が進む一般社会の感覚だとご結婚の年齢を問わないかもしれないが、悠仁さまの置かれている立場からすると、あまり年頃が変わらない女性と早めに結婚して頂くことが好ましい。早くそういうシフトを取るべきだ。

ただ、期待が持てることは、中学まではお茶の水大学附属で過ごされ、高校は筑波大学附属という選択はとてもいいと思う。いずれも中・高男子校の学習院と違って、男女共学だし、本当のところ、男子より女子の方にレベルの高い人が多いといわれる学校だ。

山口真由
山口真由さん(編集部撮影)

卒業生を見ても、川口順子氏(外相)、片山さつき氏(衆院議員)、山口真由氏(元財務官僚)、檀ふみ氏(女優)といったところがここのOGだが、こうした知性あふれる先輩たちに匹敵する同級生の女性たちに大いに鍛えられれば、たしかなお妃選びの準備ができると思う。

学校の問題については、私は学校で「皇室を特別扱いしない」と必要以上に極端なかたちで言うこと自体が本音と建て前の乖離を生んでいるのだと思う。もちろん、無用に違いをつける必要はないが、警備も必要だし、教師の選定など、さまざまな意味で配慮はせざるを得ない。

今回の悠仁さまのケースでも、急に受験したいといわれてもソフト、ハードの準備は間に合わないし、現場は迷惑だろう。悠仁さまの成績などからして、勉強にもついていけるし、性格的にもカラーに合うという判断があって、話し合いがもたれ、徐々に条件整備が進められたようだ。

提携校制度についても、悠仁さまも念頭に用意されたかもしれない。あるいは、そう言う制度があるからお茶の水附属からよそへ転校されなかったかもしれない。いずれにせよ、公表されている制度なのだし、制度の趣旨からしても試験の成績だけで決めなくてはならないものでもあるまい。

また、「小学校時代から悠仁さまの成績は、学年でもトップクラス」「悠仁さまが、小学校の時期からコツコツと努力を続け、勉強を積み上げて来た事はまぎれもない事実です。それこそ中学受験はなさらなかったが、小学生の夏休みも猛勉強なさっていたと聞いています。中学生になってからは、さらに熱心に机に向かっておられた」などの好意的な評判を、あの朝日新聞系のアエラドットですら書いている。

大学進学に向けて積極的な解決策を

そもそも、中学や高校の入試にあっては、それなりの事前調整など世の中でかなり広く行われているではないか。

大学をどうされるかというとき、たとえば東京大学などを受験されてまたいろいろといわれることは避けたいし、だからと言って私立なら裏ルートでいいというのもおかしな話だ。早めに方針を定めて、世論の理解を積極的に得る解決策を見出すべきだろう。

学習院大学(momoishi /Wikimedia CC0 1.0 Public Domain)

一方、学習院大学については、前回述べたように、まず、愛子さまが楽しい学生生活を送られるように努力したほうがいい。また、同窓会である桜友会の不正経理が文春砲で叩かれているが、皇室にとって特別な学校であると評価されるに値する環境整備が必要だろう。以前にも書いたが、姉二人が別の大学に移り、愛子さまも通学もされない状況で学習院なら安心とどうしていえるのだろうか。

一方、私が以前にも提案したことがあるのは、宮内庁と協力して、大学院ないし特別クラスのようなかたちで、皇室研究の組織を設け、皇族や妃殿下候補、逆に皇族の女性と結婚する人、さらには、宮内庁職員や皇室と縁が深いさまざまな職種の人などを教育する場とすることだ。

これまでも妃殿下になる方の教育が短いご進講だけで済まされたりしてきたが、そのことの代償は大きかったと思う。また、これまで旧華族など家系で引き継がれてきた皇室にとって必要な知識の伝承も難しくなってきているのである。

儀式などについても、前回のときの記録といっても出来不出来の差が大きく困っていると聞いている。

たとえば、儀式などについても、映像化することで残そうといった試みも進められているが、そういうことも担う組織が必要な時期だし、学習院などにふさわしい役割であろう。

また、悠仁さまの帝王教育については、上皇陛下ご夫妻など先達の話を聞くこともそうだが、陛下とときどき行動をともにされることがとても大事だと思う。また、現職の首相と会話をすることも、リアルタイムで国家の歴史を学ぶことも必要だ。25歳で即位されたがゆえに、エリザベス女王は歴代の首相に適切なアドバイスを与え続けておられる。