Meta(旧Facebook)はウクライナ紛争への対応として、国営メディアの制限や事実確認に関する取り組みの強化などを行っているが、そうした一連の措置の一環として、ウクライナとロシアの両国のですべての成人が、Instagram(インスタグラム)で暗号化された1対1のチャットを利用できるようにすると発表した。
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Instagramのユーザーには、ダイレクトメッセージの受信箱の上部に表示される通知でこのオプションが警告され、選択すれば暗号化された会話に切り替えられることが案内される予定だ。
Messenger(メッセンジャー)やWhatsApp(ワッツアップ)など、他のMeta傘下のアプリでは、すでにエンド・ツー・エンドの暗号化を提供している。WhatsAppでは、それがデフォルトになっている。ただし、デフォルトのエンド・ツー・エンド暗号化がMessengerに完全搭載されるのは2023年のいつかだが、同社は長年にわたり、Messengerのテキストチャットのエンド・ツー・エンド暗号化を有効にするオプションを提供してきた。また、1月にはMessengerでエンド・ツー・エンドの暗号化されたグループチャットと通話を完全導入している。
同社は、ウクライナとロシアの両方で安全機能を利用できるようにすることにした、と説明した。そのオプションがなければ、戦争に反対を表明しているロシアの活動家が危険にさらされる可能性を示唆した。
「著名なロシアのクリエイターやインフルエンサー、活動家やミュージシャンは情報にアクセスし、侵攻反対を発言するためにFacebookやInstagramを使っています」と最近副社長から昇格したMetaのグローバル問題担当社長Nick Clegg(ニック・クレッグ)氏は述べた。同氏は「彼らもそうし続けられるようにしたいのです。そしてロシアの人々も引き続きゼレンスキー大統領やウクライナの人々の声を聞き続けることができるようにしたいのです」と付け加えた。
危機的状況が続く中でロシア政府がMetaのサービスへのアクセスを制限し、それでも同社はここ数日、他にもいくつかの変更を加えている。
エンドユーザーにとって、今回の変更は暗号化されたInstagramのDMに限られたものではない。同社はまた、ウクライナとロシアのユーザー向けに、Facebookのプロフィールをロックしたり、友人リストの閲覧・検索機能を削除するなどの安全機能の提供を開始したと、クレッグ氏は指摘した。「プロフィールのロック」機能は、インドの女性のための安全オプションとして2020年に初めて導入された。これは、Facebookユーザーが友達になっていない人の投稿や写真を閲覧できないようにし、そのユーザーのプロフィール写真やカバー写真もズームインしたりダウンロードしたりすることを制限するものだ。
画像クレジット:Stockcam / Getty Images
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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi)