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 第3戦オーストラリアGP金曜日の夜、アルファタウリはピエール・ガスリーとともに角田裕毅のセットアップにもいくつかの変更を加えた。ただし、それは金曜日のセッティングを一変させるような大規模なものではなく、金曜日の状態をさらに改善させるための微調整だったと思われる。

 というのも、もしセッティングを大幅に変更したのなら、そのセッティングによってマシンが正しく作動しているかどうかを確認するために、セッション開始と同時にコースインするはずだ。

 しかし、アルファタウリのガレージはフリー走行3回目が開始してからもしばらくはドライバー不在で、メカニックたちもガレージのなかで慌てる様子はなかった。つまり、予選に向けて、ほぼセットアップは固まっていた。

 したがって、その確認を行うには、路面が汚れているセッション前半は避けて、走行ラインがきれいになったセッション後半にコースインしたほうがいい。午後1時20分すぎにコースインしようした矢先に、セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)がクラッシュして赤旗が出たため実際にコースインしたのは、赤旗解除後の午後1時31分となったが、それでも角田はトップ10のタイムをマークしていることからもわかるように、ここまでは想定通りの展開だった。

【角田裕毅F1第3戦密着】
FP3を10番手で終えた角田

 フリー走行3回目の後、チームはさらに予選に向けて微調整を行った。迎えた予選Q1を角田は13番手で通過。角田自身も「Q1までは(Q3へ行ける)ポテンシャルを感じていました」と、今シーズン初のQ3進出をかけて、Q2を開始させた。

【角田裕毅F1第3戦密着】
Q2へ向けてガレージを出た角田

 ところが、Q2に入ると状況が一変する。

「クルマの感触が大きく変わってしまっていた」という角田は、2セット目の最初のアタックの11コーナーで止まりきれずにコースアウト。グラベルの上を走ってコースに復帰した。角田は同じタイヤでもう1回アタックする予定だったため、1周のバッテリーチャージラップをはさんで、同じタイヤで最後のアタックを試みる。しかし、タイムは思ったよりも伸びなかった。

「クルマにダメージを負ったのかわからないですけど、(その後の最後のアタックでは)感触がさらに大きく変わってしまって、まともなアタックができませんでした」

 しかし、Q1落ちした開幕戦、アタックできずに最下位に終わった第2戦サウジアラビアGPよりは、確実に前進したオーストラリアGPの予選13番手だった。

【角田裕毅F1第3戦密着】
2022年F1第3戦オーストラリアGP 角田裕毅(アルファタウリ)