4月2日、2022年MotoGP第3戦アルゼンチンGP MotoGPクラスの予選がアルゼンチンのアウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドで行われ、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は10番手となった。
今大会の第3戦アルゼンチンGP直前、中上はPCR検査の結果が陽性だったことから欠場と発表されていた。しかし、ウイーク初日となる4月1日までにMotoGPの機材が現地に届かないことから、金曜日のセッションはすべて中止。4月2~3日と2日間のスケジュールで行われることになった。そんななか、中上は3度目の検査を受けて陰性が確認されたことから、急きょ参戦できることとなった。
スケジュールの変更により、土曜日に2度のフリー走行と予選が実施。MotoGPクラスは通常、4度のフリー走行を経て予選に挑むことになるが、今大会はフリー走行3回目と4回目が行われないため、セッションの時間が各60分に拡大された。
フリー走行1回目、中上はフロントにソフトタイヤ、リヤにミディアムタイヤを履いて走行。開始からすぐに1分41秒330の2番手タイムを記録すると、その後8周目の計測で1分40秒473を出しトップタイムとなる。その後、フロントにハードタイヤ、リヤにソフトタイヤに履き変えて再びコースインし、トップのファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)のタイムを0.127秒上回る1分39秒486でトップに立ち、1番手で終えた。
フリー走行2回目はMoto3クラス、Moto2クラスの予選後に行われ、中上は計24ラップを周回。1分38秒951で自己ベストタイムを更新するも、わずかにトップ10に届かず13番手で終えた。そのため予選はQ1からのアタックとなり、Q2進出を目指すこととなった。
休憩なく慌しく行われた予選Q1で、フロントにハードタイヤ、リヤにソフトタイヤを選択。1分38秒913とすぐに自己ベストを更新し、トップタイムをマーク。連続で計測を行い、セクター1~3は全体ベストと更にタイムを縮めてくるかと思われたが、セクター4でタイムロスし、そのまま一度ピットに戻った。残り6分ほどでピットを後にした中上は、ラストアタックで記録した1分38秒531で2番手に入り、Q2進出を果たした。
予選Q2では、フロントにハードタイヤ、リヤにミディアムタイヤを選択してコースイン。1分40秒292とタイムを更新できず、3周回でそのままピットへ。残り5分を切った頃、フロントは変わらずリヤにソフトタイヤを履いて再びアタックを行った。しかし、Q1で記録した自己ベストに及ばず、1分38秒576の10番手で予選を終えた。
中上にとって慌ただしい週末となっているが、2022年シーズン最高位グリッドとなる10番手を獲得。バイクのポテンシャルを最大限に発揮し、上位でチェッカーを受けることができるのか決勝での走りに期待がかかる。
■LCRホンダ・イデミツ
中上貴晶(FP1:1番手/FP2:13番手/予選:10番手)
「朝9時くらいにサーキットに到着し、FP1の開始まで3時間しかありませんでした。数日前にはPCR検査で陽性となり、アルゼンチンGPの欠場が決まっていました。しかし、幸いにも最終的な検査で陰性となり、ここに来ることができました」
「FP1はいいスタートとなり、トップになることができました。最終的に10番グリッドからの決勝となりますが、トップグループで戦えるチャンスはあると思います。このサーキットはとても楽しいので、ベストを尽くします。明日はトップ5か6で戦えることを願っています」