毎月200店以上の新車ディーラーを回って新車情報を収集し、披露してくれる流通ジャーナリストの遠藤 徹氏。
今回はハリアーの一部改良とPHV設定、新型ノア/ヴォクシー・新型アウトランダー受注状況、ヴェゼルの納期などなど、各社人気モデルたちの最新情報をまとめてお届け!!
※本稿は2022年1月のものです
文/遠藤徹、予想CG/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年2月10日号
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■トヨタ 今秋にもハリアーにプラグインハイブリッド車を設定
トヨタは今年10月にもハリアーを一部改良すると同時にプラグインハイブリッド車のPHVを設定します。
PHVユニットはRAV4 PHVと基本的に同じ2.5Lをベースにしたシステムで4WDになると思われます。
一部改良では、装備を充実させながらお買い得価格にした特別仕様車の新グレードも追加する見込みです。
なお、従来モデルはハイブリッド車をすでにオーダーストップしています。ガソリン車も7月中には生産中止し、改良モデルの準備に備える方針です。
■トヨタ 新型ノア/ヴォクシーは販売好調で納期は半年待ち
トヨタが1月13日に発表、発売した新型ノア/ヴォクシーは絶好調の滑り出しで売れていますが、納期は延びています。
昨年12月8日の事前予約直後の納期は4月以降でしたが、年明けの1月中旬には2カ月以上延びて納期が7月以降にずれ込んでいるのです。
受注は、特にハイブリッドの最上級グレードである「G-Z」に集中しています。
ノアとヴォクシーの車種別ではほぼ同程度の受注数で、従来専売だったカローラ店ではノア、ネッツ店ではヴォクシーの受注構成比が高いですが、トヨタ店とトヨペット店は同程度で二分しています。ハイブリッド比率は85%以上で、大きくなっています。
先代型では50万円程度あったガソリン車とハイブリッド車の価格差を30万円程度に縮小したのと、4WD車を加えたことも、ハイブリッド車の受注比率が高まる要因となっています。
■新型アウトランダーの受注累計が1万台を突破
三菱自動車が昨年12月上旬に発売した新型アウトランダーPHEVが好調な販売推移を見せています。
月販目標の1000台に対して、発売1カ月後の受注台数は約7000台で、1月末現在では1万台を突破したようです。
そのため、増産対応を検討していますが、半導体部品の供給が思うように進んでいないため、納期は半年以上かかっています。
現行モデルではプラグインハイブリッド車に一本化しましたが、世の中の電動車への関心が高まっており、引き合いは一段と加速しています。
グレード別の構成比では大部分は装備が充実した「P」で占められています。同社にとっては久しぶりのヒットモデルになる可能性が高そうです。
■トヨタ ヤリスクロス&ヤリスは今夏に一部改良予定
トヨタは今年8月にヤリスクロスとヤリスを一部改良する予定です。ヤリスクロスはさらにクロカン色の強い4WDの最上級グレードを設定する見通しです。
ヤリスは最新版の先進安全装備への改良などによるラインナップの強化が予想されます。
現在、納期はヤリスクロスが8月、ヤリスが7月と大幅に遅れています。
そのためか、現行モデルはヤリスクロスが1月いっぱい、ヤリスが2月末で一旦生産をストップさせ、改良モデル投入の準備に備えるものとみられます。
■トヨタ アルファードは2023年中盤にフルモデルチェンジ
アルファードは今年夏に一部改良する見通しです。この改良は安全対策強化や商品ラインナップの再編成が中心になりそうです。
これにより、アルファードのフルモデルチェンジは2023年中盤頃になる見込みです。
一方のヴェルファイアは廃止になると思われ、現行モデルは今年7月でオーダーストップになる見通しです。
■日産 新型軽EVの発売は今年後半に先送りへ
日産は今春に軽自動車ベースの電気自動車を発表する予定でしたが、半導体部品の供給遅れによって発売開始を今年後半以降に先送りする見通しとなっています。
同モデルは三菱自動車との共同開発モデルで両ブランドとも同時に発売は遅れる見通しになっています。ただし、報道向けの発表だけは先行して行われる可能性があります。
■日産 スカイライン、フーガ、シーマのHVを生産中止
日産は傘下販売店に対して、スカイライン、フーガ、シーマのハイブリッド車を生産中止する旨を通達したようです。
これら3モデルに搭載される3.5Lハイブリッドが廃止されます。シーマはハイブリッド車のみの設定ですから、これによってモデル自体が廃止となります。
今後、日産のハイブリッド車はe-POWER車に切り換わる方向で開発を進めていますが、フーガについてもモデル廃止の可能性があります。スカイラインは継続される見込みです。
■日産 セレナの次期モデルは来年投入か?
日産はセレナの次期モデルの投入を今年9月頃に予定していましたが、今年末か来年早々に先送りする見通しです。同じ頃にエクストレイルのフルモデルチェンジも予想されていて、両モデルのデビュー時期が重なることを避ける狙いがあります。
本来、エクストレイルの一新は今年初めを予定していましたが、これが今年秋頃に先送りになる予定で、半導体の供給不足などの影響もあって、新型車の投入時期に遅れが出ているものと思われます。
■ホンダ ヴェゼルの納期はさらに長期化して10月以降に
ヴェゼルの納期は年始の頃に比べてさらに2カ月先送りとなり、1月下旬現在では10月以降にずれ込んでいます。
好調な販売に加えて半導体を中心にした部品の供給不足による影響です。特に受注構成比の高いハイブリッドモデルは納期が先送りになるケースが目立っています。
今年10月頃にはCR-Vの後継車となる新型SUVを投入する予定もありますが、こちらの発表、発売に影響を与える可能性もありえます。
■今年の決算セールは納車遅れで大ピンチ!?
2~3月の年度末決算セールは厳しい趨勢になっています。新車の納期が大幅に遅れているためです。
これまでの例だと決算セールのキャンペーン期間中に新車を購入し、ナンバーを取得した時点を対象に値引きの拡大や用品サービスなどを実施し、成果を上げてきました。
ところが今回は納車遅れでナンバーの取得ができなくなっているので、キャンペーンが盛り上げられなくなっているのです。
このため今回はキャンペーンの対象をナンバー取得までではなく、成約した時点にしている販社も出てきています。
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