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長安に来て以来、広成は仲麻呂の屋敷の別棟で三人の水夫とともに暮らしていた。「お気持ちはよく分かります。しかし焦ってもどうにもなりませんから、じっと耐えて機会を待っていただきたい」「十七年の在唐を経験してなお、仲麻呂どのはこの国に残る決断をなされた。そのご心中を思えば、我らの苦難な…