<p>自転車死亡事故は自転車の約8割に違反あり!! ドラレコ普及で実態が明らかに – 自動車情報誌「ベストカー」</p><p>自転車死亡事故は自転車の約8割に違反あり!! ドラレコの普及で実態が明らかに。クルマと自転車、同じ公道を使う「車両」なだけに、議論の土台となるデータをもとに、どうするのがよいか検討しましょう!</p><p>自動車と自転車、同じ公道を走る「車両」ではあるものの、相互理解はなかなか進んでいません。どちらにも言い分があり、ルールがあり、マナーがあるわけですが、その議論の土台は「どちらがどのような走行をしており、どういう状況で起きた事故がどれくらい…</p><p>2021年4月、「多様な交通主体の交通ルール等の在り方に関する有識者検討会」は、「自転車の違反に対する刑罰的な責任追及が著しく不十分なものにとどまっている状況を踏まえ、自転車を利用する14歳以上の違反者に対して、抑止のために実効性のある方法を検討すべきだ」と明記し、行政罰の導入を求めた。そして「14歳以上の自転車利用者が違反をした場合、少額の違反金を課す」という提案が検討されたのである。 これまでほぼ野放しだった違法自転車に対して「ついに制裁が!」と喜んだドライバーも多かったと思うが…、結論から言うと、昨年12月の検討会では「少額違反金制度」については見送られることになった。 自転車の取り締まりは都道府県警で力の入れ方に差があり、全国一律での実施は現場で混乱が生じることなどから、見送りが決まったという。 それは、悪質・危険な走行が多いエリアを「自転車指導啓発重点地区・路線」として選定し、各都道府県警の公式サイトを通じて地域住民に周知した上で、集中的に取り締まりに乗り出すというもの。 自転車について重点地区を全国で公表し取り締まるのは初めてのことで、悪質違反には積極的に交通切符(赤切符)を活用するという。 また、2年前の令和2年(2020年)6月30日に施行された改正道交法では、自転車のあおり運転が「妨害運転」として新たに危険行為に盛り込まれている。平成27年(2015年)の改正時に自転車の危険行為として信号無視や通行区分違反、指定場所一時不停止など14類型が規定されたが、これに「妨害運転」が加わった形だ。 さらに妨害運転に規定される違反行為に幅寄せや車間を詰めるなどの他、「逆走」が規定されたことにも要注目だ。 クルマのドライバーからしたら、自転車の違法行為、法令無視の運転は本当に腹立たしい。車両通行帯のある道路の一番左や自転車通行帯を逆走する行為は腹立たしいのを超えて恐怖である。とくに夜間、無灯火で黒い服を着て逆走する自転車は自殺行為としか思えない走行だ。(なお、この自転車レーンの逆走による「当たり屋」も増えているというから注意されたし) また、交差点での右左折の際、視界に入らない方向(斜め後ろなど)から突然クルマの前に現れるのもホントにやめて欲しい。これで接触事故となればクルマ側の「前方不注意」になるのだろうか?自転車側は見えているだろうが、横断歩道を渡る歩行者の動きなど前方を注視しているドライバーからしたら、不可抗力と言ってもいいくらいのつらい状況だ。 このような違反行為が自らの寿命を縮めていることに気づかない自転車利用者も少なくない。それらが事故死に繋がることは交通事故統計でも明らかにされている。 実際、自転車で違反をする人の多くは自動車の免許を持っていないか、持っていてもペーパードライバー歴が長く道交法を知らず、安全運転の意識も低い人たちだと思われる。なお自転車は道交法においては「軽車両」となるので、当然、道交法を知っておくべきなのだが……。恐らく、自転車にも適用される「危険行為」などほとんどの自転車利用者が知らないのではないだろうか。 警察庁交通局「令和3年における交通事故の発生状況等について」より引用 自転車の違法行為の取り締まりは、現状、あまりにも多すぎて不可能に近い。自転車の交通違反は道路交通法で刑事罰も規定されているが、歩行者にぶつかって死なせるなど、よほどの重大事故じゃない限り起訴されるのは非常にまれだからである。 自転車が関係する事故で自転車側も違反している割合はどれくらいあるのかご存知だろうか。筆者も数年前にその割合の高さを知って驚いたのだが、今年(2022年)3月3日に発表された「令和3年の交通事故統計」においては、自転車死亡事故で自転車側にも違犯がある割合はなんと8割近い。令和3年の1年間、全国で自転車乗車中の事故で死亡した人は359名で、そのうち273名に何らかの交通ルール違反があったことが分かっている。 マナーが悪く、交通ルール無視の自転車が増えたと日々感じていたが、このような無法自転車が死亡事故の原因の8割を作っていたことになる。交通ルールを守っていれば死亡者が出る事故にはならなかったケースも多数あっただろう。自らの違法行為によって亡くなった人が273名もいたことになる。 年齢層別法令違反別の死者数データにも注目したい。令和3年の自転車死亡事故において、65歳以上と65歳未満で比べてみると、違反ありの割合は65歳以上で「77.4%」、65歳未満だと「73%」となる。 65歳以上の違犯割合は年々増えている。高齢者人口が増えているのだから当然と言えば当然の結果と言えるが、65歳以上の死亡者の場合、「一時停止違反」や「安全運転義務違反」が多いことが分かる。 とくに、安全運転義務違反の中の「操作不適」の割合は65歳未満に比べて4.8ポイント高い。操作不適とは、出合頭の事故などで、とっさに自転車のハンドル操作やブレーキ操作を行うことが遅い、適切な操作ができなかったことを意味している。 警察庁交通局「令和3年における交通事故の発生状況等について」より引用</p>