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 3月22〜23日、富士スピードウェイで全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同テストが行われたが、2日目午後のセッション3の後、スーパーフォーミュラで初めての試みとして、ドライバーを1カ所に集めてメディアのインタビューの機会を与えるメディアミックスゾーンが設けられた。

 国内最高峰フォーミュラであるスーパーフォーミュラは、2022年に向け『NEXT50』と題したプロジェクトのもと、さまざまな改革を行っている。そのプロジェクトの柱のひとつとされているのが『ドライバーズファースト』。ドライバーの社会的認知度の向上を目指し、スーパーフォーミュラの地位向上を目指す施策として最も力を入れているとしている。

 そんなドライバーの露出向上に向け、JRPではさまざまな方法を議論してきたというが、そのなかで今季のシリーズから、段階的にメディアミックスゾーンが設けられることになった。

 このミックスゾーンは、サッカーをはじめオリンピック等でも採用されているもの。選手は必ずミックスゾーンを通らなければならず、その場で取材を受けなければならない。近年F1やWEC、DTM等モータースポーツでも採用され、選手はミックスゾーンに出なければ罰金も科せられる。

 JRPではミックスゾーンが設けられることで、すべてのドライバーにメディアとの接触の機会が生まれるとともに、専門性が高いモータースポーツメディア以外のメディアにもドライバーと接触できる機会が提供できるとしている。これまで国内のモータースポーツ界では、メディアは取材の際にまずチームに取材の打診を行いピットをまわり、ドライバーのスケジュールに合わせて取材をする必要があった。

 今回、メディアミックスゾーンの設置にあたっては、JRPがメディア対応の専門家を招き、ドライバーを全員集めメディア対応の方法を教授した。その後、セッション4の後のピットレーン上でミックスゾーンが設けられ、ドライバーは15分ほど滞在。各メディアからの取材に応じた。

 この試みは、我々メディア側にとっても、ドライバー側にとっても好印象で、モータースポーツ取材歴が浅いメディアでも取材の機会を得られたほか、ドライバー側からも「この15分間で対応できるのでありがたい」という声が聞かれた。「いつもメディアの皆さんにはミーティングの間ずっと待っていただいたり気を遣っていたので、こういう機会があればお互いメリットがある」という声も。

 当然今回の試みはまだテスト段階で、JRP関係者もその様子を見ながら改善案を探っていたよう。現代はSNS全盛ではあるが、やはりドライバーの思いや出来事を伝える立場として、メディアが果たさなければならない役目がある。プロスポーツとして大きな改善の一歩であり、我々メディアとしても大いに歓迎したい改革のひとつとなった。

スーパーフォーミュラ富士合同テスト2日目の後、ピットレーン上でメディアミックスゾーンが試験的に導入された。
スーパーフォーミュラ富士合同テスト2日目の後、ピットレーン上でメディアミックスゾーンが試験的に導入された。
取材を受ける平川亮(carenex TEAM IMPUL)
取材を受ける平川亮(carenex TEAM IMPUL)
取材を受ける大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
取材を受ける大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
取材を受ける宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
取材を受ける宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
取材を受ける佐藤蓮(TEAM GOH)
取材を受ける佐藤蓮(TEAM GOH)